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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第4回──COMIC編

雷句誠が抱える矛盾! 『どうぶつの国』の主人公は作者本人の投影か!?

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──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2010年10月号 COMICクロスレビュー

■学園でヤンキーが育児!?

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『べるぜバブ』(7巻)
作/田村隆平
掲載/「週刊少年ジャンプ」(集英社)
価格/420円 発売日/8月4日


「最凶」のヤンキー高校生・男鹿辰巳は、ある日ケンカの最中に赤ん坊を拾う。その赤ん坊が、魔界の王が人間界を滅ぼすべく送り込んだ息子(ベルゼバブ。通称"ベル坊")で、男鹿に懐いたことから、彼の、育児とケンカの日々が始まった──。学園ものでありヤンキーモノであり、子育てマンガでもあるという異色の話題作。

【脚本、演出家・麻草評】
★★★★★★★☆☆☆
戦う理由の排除こそ白眉
ただひたすらに戦いたいだけのバカが、ただひたすらに戦うだけ。もちろんそれだけなら、今までにもさまざまなバトルヤンキーマンガが描かれてきた。本作の白眉は「戦う理由」を徹底的に排除したところ。友達のため、好きな人のため、愛する学園のため、そんなものは暴力に理由をつけて正当化するための不純な粉飾にすぎない。殴りたいから殴る、ただそれだけ。理由のある奴に対するベル坊の嫌そうな顔が、その狂った価値基準の表明だ。

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