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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第45回

民主党は立ち直れるのか? 目的と理念への矛盾と打算【中編】

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官僚主導から政治主導へ舵を切るための戦略とは?

宮台 7月16日の新聞で「菅首相、国家戦略局設立を断念」の記事を読み、民主党は官僚に白旗を揚げたとの印象を受けました。政治家が官僚に使われるのでなく、政治家が官僚を使う。大統領制であろうが議院内閣制であろうが、それが本質的な目的・手段の関係です。

 菅さんが国家戦略室長だった際、すでに問題があらわになっていました。政治が主導して官僚を使うとして、政治がどこに向かうのかが、菅さんの口から明瞭に語られなかった。鳩山さんは理念を発信するが、菅さんは発信しない。そのため国家戦略室がなんのために存在するのかわからなかった。初発の段階で間違いがあったと言わざるを得ません。これでは、国民からすれば、官僚が「上がりの一部をポケットに入れたとしても、良い政策を打ち出してくれる」のならば、「天下りは削っても、国益にかなわない政策を連発する」民主党の政治主導よりはマシです。

 官僚主導から政治主導へと舵を切るために国家戦略局が必要だとして、何をするために政治主導が必要なのか、総理が菅さんに代わった途端わからなくなりました。むろん鳩山総理の時は、理念はわかるけれど、どうやるのかがわからなかったわけですがね。

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