サイゾーpremium  > 特集  > 少女小説家・折原みと×ラノベ評論家・三村...

 これまで「女の子は小説に性描写を求めていない」、そんな概念が少女小説の中には確かにあった。しかし、「ティアラ文庫」が盛り上がる今、読者たちの"性のとらえ方"はどのように変化しているのだろうか。80年代後半の"少女小説ブーム"を牽引した小説家・折原みと先生、そしてライトノベル評論家の三村美衣さんに、ライトノベル業界と女の子たちの変化について聞いた。

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(写真/田中まこと)

──女性向けの性描写を盛り込んだ"新・乙女系ノベル"のレーベルとして支持されている「ティアラ文庫」について、少女小説作家・折原みと先生、そして『ライトノベル☆めった斬り!』【1】の共著者としても知られるライトノベル書評家・三村美衣さんのお2人に独自の視点から語っていただきたく、本日は神奈川県・逗子にある折原先生のご自宅までお伺いしました。さっそくですが、折原先生、ティアラ文庫の作品を読まれてみていかがでしたか?

折原みと(以下、) おもしろかったですけど、なにより「これって本当に乙女系なの!?」とビックリしました。3冊読ませていただいたんですが、一番初めに読んだ『ウェディング・オークション ~その香りは花嫁を誘惑する~』【2】が、まるでオジサン世代が読む官能小説並みの過激さで……。ただ、ほかの2冊はそこまで過激ではなくて、読後にやや物足りなさを感じちゃったんですけど(笑)。

三村美衣(以下、) 私も一番初めに読んだ『妖かし恋奇譚 ~黒龍と堕天使~』【3】が、最も過激でしたね。冒頭で痴漢に遭うシーンが延々と描かれているんですよ。内容的にはオジサンが読んでいてもおかしくない(笑)。

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