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第1特集
音楽配信ビジネスが日本の音楽界を変える?【2】

大手レーベルが手を引き始めた「着うた」と「モバイル配信」の虚飾

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──08年に、約800億円規模にまで市場が広がった着うた配信サービスも、この1年で陰りが見えてきたという。いまいち実態の見えないこのサービスの今を追った。

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浜崎あゆみでも、着うたでは1位はとれず、これまで活躍してきたアーティストの名前をランキングで見ることは少ない。一方、西野カナや加藤ミリヤなど、旬のアーティストは、新曲を出すたびに上位に顔を出す。

 インターネットを使用したデータ配信が、ビジネスの中心に移行しつつある音楽業界で、大手レーベルやiTunesなどの配信サイトに頼らないで、アーティストが自分で作品を配信する動きが出てきていることは、【1】で触れた。その一方で、大手レコード会社が取り組んできた音楽配信ビジネスで、その中心を担ってきたのが「着うた」などのモバイル向け音楽配信サービスだ。近年、着うたは音楽シーンでは一定の存在感を示し、「◯万ダウンロード突破」などのキャッチコピーが楽曲の人気を測るバロメーターとされてきた。しかし、着うたがヒットしているアーティストが、世間では意外と認知度が低かったり、そもそもモバイルコンテンツに慣れないユーザーにとっては、着うたという規格自体に未知数な部分が多い。さらに09年には音楽配信サービス全体の伸び率が、初めて前年割れし、ニュースになるなど、レコード会社の期待に反して、その雲行きが怪しくなってきている。

 ちなみに着うたとは、携帯電話の着信音にしたり、鑑賞を目的にダウンロード販売される音楽配信サービスのこと。楽曲の一部を45秒以内に切り分けた形式の「着うた」と、楽曲を一曲、まるごとダウンロードできる「着うたフル」に分けられ、一曲300~400円ほどと割高な着うたフルが最近の主流になりつつある。

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