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第1特集
大手芸能プロも注目! ミスキャンパス隆盛の"罠"【1】

女子大生が支える芸能界の新ビジネスに注目せよ!

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──学園祭がピークを迎えるこの時期、イベントに華をそえるのが"ミスキャンパス"の面々。中には、テレビに出ているアイドルよりも容姿に恵まれているコもチラホラ……。そんな彼女たちをめぐり、芸能界の水面下では、熾烈な駆け引きが行われていた。

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「キャンパスナイトフジ」のHPより

 有名大学の学園祭で開催される花形イベント、ミスキャンパス。本来は学生主導で行われるべきなのだが、女子大生ブームが再燃している現在、さまざまな思惑を抱いた"大人"が跋扈しているようだ。

 昨年11月3日に開催された「ミス立教コンテスト」の関係者席に、ある人物が我が物顔で鎮座していた。大手芸能プロダクションKのT幹部である。

「T氏の姿を見たときは、正直、目を疑いました。だって、そのわずか半年前に、恋人とウワサされた女子アナが自殺しており、彼にも捜査の手が伸びていましたから、まさか公の場に姿を見せるとは。T氏は立教大学のOBとはいえ、普通だったら女子アナの登竜門的イベントであるミスキャンパスなんかに顔を出さないでしょ? 実際、未来のキャスター候補を発掘しようとしていましたし……」(全国紙記者)

 同コンテストは過去にフジテレビの戸部洋子や本田朋子、テレビ東京の相内優香らを輩出したほか、カリスマモデルなども多数生み出している。それだけに芸能関係者からの視線も熱く、水面下で繰り広げられる各プロダクションのスカウト合戦は今や風物詩だ。

「どこの事務所も有望な女子大生に接近したいから、実行委員に媚びを売りまくっていますよ。スカウトマンが狙っているのは、会場内を自由に動き回れる関係者席。最も近くでコンテストを観られるし、グランプリ発表後にアピールしやすい。けど、派手なイベントを嫌う学校側の目を気にして、実行委員側がなかなか関係者席に座ることを許可してくれないんですよ」(芸能プロスカウト担当)

 では、どうやってT氏は関係者席に座ることができたのか。「スポンサーを個人的に引っ張ってきてくれたんですよ」と話すのは、コンテスト関係者。

「Tさんが企業の幹部と仲がいいらしくて、ストッキングや靴下を扱う大手メーカーがコンテストを協賛してくれたんです。それに、自社のタレントをコンテストにサプライズゲストとして呼んでくれるなど、いろいろと協力してもらったみたいですね」

 ちなみに今年開催された同イベントでも、T氏は同じヤリ口で関係者席に座っている。そして当然、ミス受賞者をスカウトしている……と思いきや、昨年も今年も見送っているのだ。

「昨年のミス受賞者は、現在『めざましどようび』(フジ系)のお天気お姉さんとして活躍する高見侑里ちゃん。『ミス立教』直後に開催されたミスキャン日本一決定戦『ミス・オブ・ミス・キャンパスクィーンコンテスト』でもミスに輝き、数社による争奪戦が繰り広げられ、結局セント・フォースへ。けど、T氏はミス立教出場時の姿を見て、見込みナシと踏み、獲得を見送っているんです。おかげで、のちに業界関係者から、『Tさんの目利きも狂ってきたよなぁ』なんて揶揄されていましたよ(笑)」(前出のスカウト担当)

慶大生全裸疾走事件で名門ミスキャンが終焉?

 T氏の例が一番わかりやすいが、芸能プロとミスキャンパスの癒着は、年々強くなってきている。

「女子大生が出演するフジテレビの深夜バラエティ番組『キャンパスナイトフジ』が成功を収めたほか、各局の情報番組でも積極的に女子大生をリポーターで起用するようになりました。芸能プロにとって、女子大生は使い勝手がいいんですよ。卒業までの期間限定で雇えるし、いい女のコがいればそのまま所属させればいい。それに毎年、ドンドン入学してくるから、数も揃えられる。リスクが少ないんですよ。その中でもミス受賞者は、有名大学ほどブランド力があるので、テレビ各局に売り込みやすい。各芸能プロのスカウト担当者は、この時期、すべての学祭をチェックしないといけないから大変だと思いますよ(笑)」(夕刊紙記者)

 前出の「ミス立教」関係者が話すように、学校側としては、芸能プロとの癒着を敬遠する傾向にある。ゆえに、表立って"女子大生タレントの草刈り場"としてスカウトできないのが現状である。しかし、それは校内でのこと。昨年あたりから、ミスキャンパスをめぐる動きに大きな変化があったのだ。

「慶應義塾大学の学生団体主催者である学生のM氏が、各大学のミスキャンパスを統括、バックアップする会社を08年に立ち上げたんです。要するに、ミスキャンパスのフィクサー的な会社。その証拠に、ミスキャンパス専門のホームページを制作し、慶應や上智など各有名大学の出場者にブログスペースを提供。さらに、タイアップ企業を見つけてきては、各大学のミスキャンパス出場者を集めて、野外お披露目会を何度も開催しているんです。テレビ局とコラボすることもあり、結構大々的にやっていますよ。そこに芸能プロのスカウト担当やテレビ局の人事部が集結。さながら、オーディション会場のような様相を呈していますね」(広告代理店社員)

 校外は治外法権化しており、キャスター専門事務所のセント・フォースや、ケイダッシュ関係者などが直接出場者を口説いているという。

「M氏は今月、日本武道館で大きな音楽フェスを開催します。その人脈作りとして、ミスキャンパスを利用したというウワサもあります」(M氏を知る慶大の学生)

 何はともあれ、ミスキャンパスが学生にとっても"カネのなる"イベントになっているのは間違いない。そうした中、過熱するミスキャンパスブームに冷や水をかける事件が起きた。10月13日、「ミス慶應義塾大学コンテスト」を主催する広告研究会の部員10人が東急東横線日吉駅内を全裸で走り回り、公然わいせつ容疑で書類送検されてしまったのだ。これにより、数々の女子アナを世に送り出した「ミス慶應」が今年で最後になるといわれている。

「ミスキャンパスは多額の協賛金が集まるため、主催する学生がどうしても増長し、"ミニ業界人"になってしまうんです。公然わいせつだけではなく、覚せい剤所持をはじめ学生の事件なども頻発していることもあり、最近は大々的なイベントを禁止する学校も増えてきました。学習院大学は、ミスキャンパス出場者を校内でスカウトすることを禁止、また、出場する女子大生にも、なるべくメディア出演が目立つように訴えているみたいですね」(週刊誌芸能記者)

 ミスキャンパスは学生による、学生のためのイベント……とはキレイゴトかもしれないが、その本質を忘れないでもらいたいものだ。

(取材・文/岩友江理)


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