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第1特集
川島海荷は"神秘"で、AKBえれぴょんは"菩薩"!?

"最強"美少女写真集 極私的妄想レビュー

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――今最高にかわいい4人の美少女アイドルたちを、アイドル評論家エリンギが選定の上、勝手に妄想。川島海荷、逢沢りな、小野恵令奈、折山みゆ。4人をネタに妄想ワールドが大展開!!

川島海荷(15) 『青のコリドー』

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撮影/熊谷貫 発行/集英社 発売/08年12月 価格/1995円(税込)

かわしま・うみか
94年3月3日、埼玉県生まれ。O型。レプロエンタテインメント・ジェイクラス所属。5人組アイドルユニット・9nineの一員として活動する一方、個人では初主演映画『携帯彼氏』が今秋公開予定。「カルピスウォーター」のCMでも好評を得ている。

 アイドルソングの幼き声 諸行無常の響きあり トップアイドルの黒髪の色 盛者必衰の理をあらわす おごれる美少女も久しからず ただ春の世の夢のごとし──。今日もまた、多くの美少女アイドルたちが現れ、そして消えていく。この美少女インフレ時代において、いま最も注目すべきアイドルは誰なのか?最新写真集と共に見ていきたい。

 次世代美少女の最右翼として注目を集めている川島海荷。見た目こそ幼いものの、どこか大人びた色気を持っていたのが彼女だ。しかし、ここにきて、その独特の色気は薄まりつつある。

 逆説的だがそれは、美少女として生きてゆくことを彼女自身が受け入れたからではないか。スカウトを経て小6で芸能界入りし、翌年子役としてドラマデビュー。幼い頃から「美少女」だと褒めそやされ、所属するアイドルユニット・9nineでは、いつの間にかセンター扱い──。

 それらの経験を経て、彼女も腹が据わったと見える。新垣結衣を擁する大手プロ・レプロの次の看板を自分が背負わざるを得ないことを、ついに意識したということだろう。自由奔放に過ごしてきた名家のお嬢様が、社交界デビューを決意してレディーに変身するような、そんな変化が、『青のコリドー』で遠くを見つめる彼女からは見て取れる。同作で彼女が見せる表情は、すでにアイドルのそれではなく、女優だ。

 無垢な美少女が、おのれの美少女性を受け入れることによって、美少女特有の色気を失ってしまうこと。その悲しき逆説性こそが、美少女の神秘だ。

逢沢りな(18) 『Rina』

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撮影/細居幸次郎 発行/09年7月 発売/ワニブックス 価格/2940円(税込)

あいざわ・りな
91年7月28日、東京都生まれ。O型。ボックスコーポレーション所属。『炎神戦隊ゴーオンジャー』にゴーオンイエロー役で出演後、08年度第87回全国高校サッカー選手権応援マネージャーや「ウナコーワ」のCMに出演し、注目を集める。現在、NHK大河ドラマ『天地人』に出演中。

 逢沢りなは、芸能界の迷い子。そのたたずまいは、弱肉強食のアイドル業界という森に迷い込んでしまった子鹿のようだ。中2の夏に彼女は一度ある芸能プロにスカウトされているが、「芸能界には興味がない」と言い放ち、面接で落とされている。しかし翌年、再び現在の事務所からスカウトされ、芸能界入りを果たす。そう、まさしく子鹿は保護されたのだ。

 決して薄い顔ではないのに、彼女のアクのなさはどうしたことか。今回挙げた4人の中で一番年上なのにもかかわらず、一番エロスが感じられない。

 おのれの名前を冠した写真集『Rina』も、強く印象に残る何かがあるわけではないが、なんとなく価値があるように感じられる。露出度は低いけれど、なんとなくエロく、ファンもなんとなく満足する。しかし、このなんとなく感こそ、実は強力な武器。それは、彼女の事務所の先輩、相武紗季にも通底する、「いいお嫁さんになりそう」という重要な魅力なのだ。

 いつか突然彼女が結婚引退しても、心から祝福の言葉を贈れそうな、老若男女が安心して愛せる美少女アイドル。それもまた、芸能界には必要不可欠な人材なのである。

小野恵令奈(15) 『キラ☆キラ』

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撮影/西田幸樹 発行/竹書房 発売/09年4月 価格/2940円(税込)

おの・えれな
93年11月26日、東京都生まれ。A型。太田プロダクション所属。秋元康プロデュースによるアイドルプロジェクト・AKB48のメンバーとして、TeamKで活躍中。13thシングル「言い訳Maybe」の参加メンバーを決定するファンの人気投票企画「AKB48総選挙」では、11位の座に。

 川島海荷とプライベートでも親交が深いのが、AKB48の"えれぴょん"こと小野恵令奈。超ロリータ顔に、ファンがキモくないかとインタビューで尋ねられた際に怒って反論してみせたという、オタク殺しなエピソード。美少女に母性を仮託し甘えたいという欲求を、圧倒的な優しさで受け止めてくれる。一見すると彼女は、現代のララァ・スンなのである。

 しかし、事はそう単純ではない。「彼女はもう、子供ではない。 彼女は、まだ、大人ではない。その中間を人は『小野恵令奈』と呼ぶ」とは、この写真集の帯に記された秋元康による小野恵令奈評だが、これは至言であろう。

 『キラ☆キラ』における彼女は、そのタイトルに反して、秋葉原のネオンの中にひとり立っているかのような暗さが漂う。こぼれ落ちそうな巨乳や腰回りの肉付きなどからは確実に大人の色気が漂うが、笑顔はあくまでもロリータ。しかし、純真無垢な子どものそれではない。それは彼女が、"アイドル傭兵軍団"AKB48の一員であることに起因する。ロリータからお姉さんまでその道のプロが集うこのグループにおいて彼女がとったのは、子どもでありながら子どもではなく、大人でありながら大人ではないという、高度に矛盾した戦略であった。

 ただの無垢な美少女ではなく、かといって単純に成熟などせず、しかし美少女のプロになるわけでもない。それはもはや、神の御業である。ララァ・スンとしての自らの菩薩性を認識し、アートマン(えれぴょんという自我)がブラフマン(アイドル宇宙を支配する梵天)と同一であることを知る彼女は、"梵我一如アイドル"。アイドルがただ菩薩であればよかった山口百恵の時代から、我々はあまりにも遠くへ来てしまったようである。

折山みゆ(17) 『みゆぽ』

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撮影/栗山秀作 発行/集英社 発売/09年7月 価格/1785円(税込)

おりやま・みゆ
91年10月9日、東京都生まれ。O型。ミルキット所属。デビュー初仕事の「セイコレ☆ジャパン」で、見事セイコレGirlsグランプリを受賞したシンデレラガール。オンラインゲーム『メイプルストーリー』のコミカルなCMでも話題に。

 折山みゆには、川島海荷のような神秘性は微塵もない。コギャル全盛時代の渋谷がよく似合うような、既視感のある"イマドキ"で"ナマイキ"なそのルックスは、系譜としては、かつての深田恭子や上戸彩。実際『みゆぽ』では、深キョン的ゴスロリや上戸的パンダのコスプレもこなしている。今では凡庸さにさえカテゴライズされてしまいそうな普通の"原石感"こそが彼女の魅力であり、と同時に、今ひとつ抜け出せない要因でもあろう。

 だからこそこの写真集における彼女の最大の魅力は、その笑顔にではなく、時おり見せる不機嫌顔にこそある。そこには、川島などには決して醸すことのできない、2010年代を先取りした圧倒的なリアルがある。作られた笑顔の隙間から垣間見える、真の意味でイマドキなリアルさを自分のものとした時、彼女は、小難しい神秘性など軽く凌駕する、彼女ならではの魅力を開花させるだろう。

 芸能界の流れは絶えずして、しかももとの美少女にあらず。よどみに浮かぶアイドルは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし──。

 美少女は時代を映し、鑑賞する者の心を揺さぶる。新たな美少女たちの登場に、これからも期待したい。

(エリンギ/文)


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