カルチャー

脚本の原点を探る原始的"たき火"対談!?

【映画監督 三木聡×劇作家・役者 岩松了】──ドラマ・映画界にオリジナル脚本はもう必要ない?

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映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や『大奥』など、昨年は原作"レイプ"とまで言われる作品が多数発表された。そんな中、懲りずに"原作モノ"頼みの作品が並ぶ今年のドラマ・映画作品を、オリジナル脚本に定評のある岩松了、三木聡両氏はどうとらえているのか。昨今の製作の現状とそれぞれの原点について語り合っていただいた。

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──まずはお2人にとって、今の仕事や作品づくりの原点を教えてください。

岩松 了(以下、岩松) 僕は都会への憧れだけで東京の大学に入って、都会っぽいというイメージだけで演劇の世界に飛び込んでしまったんです。20代の頃は「東京乾電池」という劇団で演出をしていたんだけど、ほとんど即興ギャグだったから、役者を笑ってあげることが主な仕事だった。それで30歳を過ぎた時「俺は何をやってるんだろう」って、ふと考えてしまったんです。ただ、今ならまだ演劇を辞めて人生を変えられるけど、10年続けてしまった悔しさやジレンマもあった。だから納得できる戯曲を1本書いて辞めようと思った時に、ちょうど『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を観て、とても影響を受けたんです。書き手としての原点は、あの映画かもしれない。

三木 聡(以下、三木) ジム・ジャームッシュ監督、僕も大好きでした。

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"独断と偏見で選ぶネタ的カルチャー企画"CCCCC

【名人が語るゲームの裏側】──ゲーム業界の内実を描いた作品を高橋名人が見てみると?

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ファミコンの立役者である高橋名人が、ライトノベル、マンガ、ゲームで描かれる同業界を解説!

往年の名(迷?)作が新生! ゲーム小説の可能性を開拓したラノベ

名人が語るゲームの裏側【1】──僕と彼女のゲーム戦争

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『僕と彼女のゲーム戦争』を読みふける高橋名人。同作の作者である師走トオルは、東日本大震災を受けて、
100万円を募金したことを発表し、ネット上で話題となった。(写真/市村岬)
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イラストを手がける八宝備仁は、アトリエかぐやなどでアダルト
ゲームの原画やCGも担当している。

■実在のゲームがそのまま登場

 昨今、ゲーム業界を題材とした作品が媒体を問わず多数発表されている。これらの作品を、80年代から広報としてゲーム業界にかかわってきた高橋名人に見てもらい、話を聞いた。

 ライトノベル『僕と彼女のゲーム戦争』は、作中に実在のゲームが登場し、プレイヤー目線でゲームの情景を描き、ゲームファンから注目を集めた。作中、ファミコンの大ヒットゲーム『スペランカー』をプレイする主人公が、ゲームの主人公に成りきって危険な洞窟探検をする描写などはとても斬新だ。

「この作品では、主人公の男の子がゲームをしながら、オリジナルのストーリーを想像して遊んでいるというのが面白いよね。ゲームって、プレイヤーが勝手にストーリーを想像していいと思うんですよ。20年くらい前のゲームは、ゲームが出来上がってから、宣伝部が説明書に収まる文字数でストーリーを考えていた。だから、この小説に出てくるゲームの楽しみ方は、かつて宣伝部がやっていたことに近いと思います」(高橋名人)

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【揺れる時代の身体表現】──カラダを駆使して時代を切り拓くパフォーマンスに注目!

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アタマで考えても答えの出にくいこのご時世、感じたら動き出すことも大事。

ナマの感情が炸裂する女の子たちのリング

揺れる時代の身体表現【1】──アイスリボン

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専業レスラー以外も参加するのが特徴だが、
技はちゃんと決めます。

■"お約束"と"リアル"の両立!

「リング上で起こったことは、すべてプロレスである」とは故G・馬場の至言だが、女子プロレス団体・アイスリボンは、旗揚げ(06年)間もない頃にはリングを使わず、マットの上で試合をしていた。そのため選手代表のさくらえみは、自分たちを「プロレス団体ではなく、プロレスラーが主体となったアクションチーム」と説明していたほど。しかし、格闘技ブームと反比例するように逆風の吹いたプロレス業界で、伝統に安住せず、プロレス団体であることのアイデンティティと向き合う作業には意味があった。さくらの出した答えは単純明快だ。すなわち、自分たちが見せるべきコンテンツは、「女の子のぶつかり合う姿」。小中学生から主婦まで、女性たちが実人生をクロスさせながら感情を爆発させぶつかり合う姿は、リングのある道場兼常設会場を持ち、後楽園ホールにまで進出を果たした現在でも変わらない。

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【3Dがもたらす未来予想図】──技術の発展は、人類に何を与えてくれるのか?

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──2010年から新たな局面に入った3D技術、その真価と正しい使い道を考える。

注目の絵師が描き続ける"2.7D"の世界

3Dがもたらす未来予想図【1】──JH科学

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「魔法町」シリーズとはまた別の作品「超中学校」。"郷愁を感じさせる見たことがない世界"を描く、JH科学ならではの1枚。
(C)集英社アオハル JohnHathway

■同人だって立体化したい

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女忍者の色香にイチコロ!

【くノ一忍法帳影の月】──ぱっふ〜ん。くノ一の妖しいフェロモンで昇天!?

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 陽光照りつける真っ昼間のオフィス街で、ネオンの気配を感じずにはいられないアンニュイかつエロティックなフェロモンを無邪気に振りまいているのは、かつて矢吹春奈という名前でグラビアの"完売クイーン"の異名をとった阿部真里嬢と、本誌ではもはやおなじみの、森下悠里嬢だ。

 そんな2人が、ガッツリ共演したのが、『くノ一忍法帖 影ノ月』だ。原作・山田風太郎の没後10年を記念して復活した大ヒットシリーズの最新作にして、これまで以上にキテレツな忍法合戦が楽しい。

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純粋な恋愛に憧れる童貞マインド!

【ロロ・三浦直之】──「草食系」マインドをいかんなく注ぎこむ、気鋭の演出家

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(写真/磯部昭子(A/M))

 心のうす汚れた大人たちに、純粋な心を取り戻させるかもしれない劇団がある。結成からわずか2年あまりで、小劇場シーンの中心部に食い込み始めている「ロロ(ろろ)」だ。平均年齢23・5歳、「恋愛のトキメキ」を武器に躍進を続ける彼ら。6月に行われた東京芸術劇場主催の若手劇団のオムニバス公演でも、海で溺れた少年と人魚の少女との淡い出会いを描き、並み居る強豪の出演する中で、見事トップバッターの大役を務め上げた。あのケラリーノ・サンドロヴィッチも興味を示しているというロロの演出家・三浦直之は、どんな人物なんだろう? 

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解り合えた二人

【てんちむ親子】──ギャルのカリスマ"てんちむ"、包丁で自分を襲った母と和解するまで

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(写真/吉場正和)

 ギャル系ファッション誌「Nicky」(竹書房)でメインモデルを務め、同世代のギャルから絶大な支持を集めている17歳のカリスマモデル"てんちむ"こと橋本甜歌。13歳での処女喪失、父親の死、自傷行為など、衝撃的な告白が並ぶ自著『中学生失格』(同)は2010年10月に発売されると同時に大きな話題となり、17万部のベストセラーとなった。

 そんな『中学生失格』に対する"アンサー本"ともいうべき『母親失格』(同)が6月に発売された。タイトル通り、著者はてんちむの母親である橋本文華さん。本書で文華さんは、「娘が『中学生失格』なら、私は間違いなく『母親失格』だった」と告白。中国で生まれ育った彼女が留学生として来日後"デキ婚"。そこで生まれたてんちむとの今に至るまでの日々を、母親の目線でつづっている。

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毅然とした美女!

【トリンドル玲奈】──お高い? それとも可憐? ハーフ美女は、素顔もハーフ&ハーフ?

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(写真/キム・チャニ)

 トリ姐──今年1月にバラエティ番組『リンカーン』(TBS)内の丁半博打風のコーナーで、姐さんとして壷を振りつつ、その類いまれなるトークセンスで視聴者の度肝をぬいたのがトリンドル玲奈だ。弱冠19歳にもかかわらず、ダウンタウンの浜田雅功らベテラン芸人に対しても一歩も引かない凜とした様は「姐さん」の雰囲気満点。そんな彼女に取材をしたところ、「最近、血液型調べたら、A型ってわかったんですよ」という女の子らしい話で始まった......。

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【「名言力」で見る芸人番組】──バラエティに食傷気味の人にこそ、新機軸をサジェスト

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ベストセラー『名言力』の著者が選ぶ、芸人たちのパンチライン!

芸人がマジになって何が悪い!?

「名言力」で見る芸人番組【1】──ブラックマヨネーズ

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"ブツブツ"の吉田(右/ボケ)と"ハゲ"の小杉(左/ツッコミ)
による漫才コンビ。98年結成、05年には『M-1グランプリ』(テ
レビ朝日)にて初の決勝進出・優勝を飾る。以降、ネタの秀
逸さはもちろん、フリートークのセンスもあって、一躍全国区に。

■ポストダウンタウンの呼び声も高い"ハゲとブツブツ"コンビが本気の金言
 時代はまさに名言ブーム。今や名言の発信源は芸人の世界にも及んでいる。ネタ番組ブームが終わってトークバラエティが全盛になったが、今は目先の笑いに走らず、突っ込んだ深い話を展開することがトレンドになっている。そのトークの深さから生まれる言葉の数々が、名言ブームとリンクしているのだ。

 その最先端がブラックマヨネーズ司会の『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!』である。当初は『お願い!ランキング』(共にテレビ朝日)の1コーナーとして始まったものだが、ブラマヨの2人がゲストと本音で語り合う姿が人気を呼び、この春に深夜番組として独立を果たした。

 例えば、M-1での大ブレイク後、周囲の期待が高いハードルになってストレスになっていると訴えるスリムクラブ真栄田に対し、ブラマヨ吉田は本気でこう答える。

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【拡張恋愛のABC】──テクノロジーによって進化する、恋愛の3ステップの最新系

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最新技術によって恋愛はどう変わるのか!? 拡張現実ならぬ拡張恋愛のA(キス)、B(愛撫)、C(セックス)の最前線を追った!

美人アーティストが切り開くキスの未来

拡張恋愛のABC【A】──キス式デバイス

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「KissController」の実演風景。ボールを投げる前の20秒間のキスで、ボールの軌道と速度が決定する。
良い成績をとるためには情熱的なキスをすることに。
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制作者のナム・ヘヨン氏。今までにも、同デ
バイスを活用して、キスで音楽を奏でる
「TongueMusic」といった作品などを発表し
ている。美人!
■気軽なゲーム感覚で、老若男女がキスする未来がやってくる!?
 日本でキスといえば、恋する2人の大事なファーストステップ。しかし、挨拶代わりにキスをするアメリカでは、テクノロジーを利用してキスの次なる可能性を探っているようだ。ジョージア工科大学に在籍するナム・ヘヨン氏とサム・メンデンホール氏が共同開発したのは、なんとキスすることでゲームを操作する、その名も「KissController」。カップルの片方が装着したヘッドセットと、もう片方が舌の上に乗せたセンサー、この2つが反応して機能するデバイスである。
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連載
おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。
花くまゆうさくの
カストリ漫報
『おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。』

マル激 TALK ON DEMAND
神保哲生×宮台真司の
マル激 TALK ON DEMAND
『ゲストと共に“ワンテーマ”を掘下げるネット発の時事鼎談。』

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哲学者・萱野稔人の
“超”現代哲学講座
『国家、権力、そして暴力とは何か?知的実践による解説。』


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