ロック中年たちには懐かしい? 読んで理解する日本のロック史

『ミート・ザ・ビートルズ』
小林信彦/新潮社/1991年

「ビートルズ論争」の原因。当時は興味がなかった「ビートルズ来日公演」で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』風の小説を書いたら、時代考証の甘さを松村雄策にツッコまれたのだが、同じ頃、ビートたけしにも「最新の流行を娘に聞くなんてバカじゃねえの」と罵られて絶交した。サブカルチャー小説で時代の寵児だった小林は一転、若いサブカル業界人の憎悪と嘲笑の対象となり、本来の純文学路線へ戻ったが、娘は新潮社の名編集者になった。


『横浜の“ロック”ステーション TVKの挑戦 ライブキッズはなぜ、そのローカルテレビ局を愛したのか?』
兼田達矢/DU BOOKS/2021年

元『FM STATION』の編集者が、TVKの音楽番組の歴史を関係者への膨大なインタビューで検証していく大著。80年代に隆盛を誇ったポップなビートロックから、他のテレビ局では拾いづらかったハードコアまで、音楽シーンを幅広く捉えることができた事情や、巨大化していく音楽産業とテレビの関係など、放送史の観点でも貴重な1冊。どうして「トマト」だったんだ、というハマっ子全員が思っていた謎も判明する。


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