『シカゴ7裁判』半世紀を経て映画化!――BLMを想起させる米国史上最悪の裁判

『シカゴ7裁判』

ベトナム戦争が泥沼化した1968年、大統領候補者をめぐり、シカゴで民主党大会が開かれた。ベトナム戦争の反戦派は、当初、平和的な抗議デモを行っていたが、徐々に激化、武装警官との間で激しい衝突が起こってしまった。やがて、デモの首謀者とされる7名は、共謀罪で起訴されることになったが、それはアメリカ司法史上もっとも理不尽な裁判となった――。『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家が描く、実録映画。監督:アーロン・ソーキン、出演:エディ・レッドメイン、アレックス・シャープほか。一部映画館で公開中、ネットフリックスで配信中。

『シカゴ7裁判』は、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキンが自ら監督した、50年前の理不尽な裁判を描いた実録映画だ。

 1968年8月、シカゴでは、その年の大統領候補を決めるための民主党大会が開かれた。現職の大統領は民主党のジョンソンだが、再選をあきらめていた。彼が始めたベトナム戦争が泥沼になり、全米に反戦デモが広がっていたからだ。

 大統領候補は割れた。主流派は戦争継続を掲げる副大統領のヒューバート・ハンフリーを推し、左派と若者たちは戦争中止を提言したロバート・F・ケネディを押した。しかし、予備選前にケネディは暗殺されてしまった。このままだとハンフリーが候補になってしまう。そこで民主党内の反戦派はシカゴで抗議デモを行った。

 このデモをシカゴ市長デイリー(民主党)は武装警官で叩き潰し、流血の事態になった。

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