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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第154回

『ストレンジ・フィーリング アリスのエッチな青春白書』カトリックの洗脳と通過儀礼としての思春期の“オナニー”

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『ストレンジ・フィーリング アリスのエッチな青春白書』

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 2000年代初め、アメリカの中西部に住む16歳のアリスは敬虔なカトリック教徒。性に興味を持つお年頃だが、“その知識”はまるで持ち合わせていない。ある時、卑猥なスラングを口にして、周囲から顰蹙を買ってしまう。その汚名を晴らすべく、神とのつながりを深める合宿へ参加を決める。監督:カレン・メイン、主演:ナタリア・ダイアー、ティモシー・シモンズほか。レンタル、販売中。

 アリスは女子高生。セックスのことが気になってしょうがないお年頃。ビデオで映画『タイタニック』を観ながら、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンステッドが自動車の中で結ばれるシーンを何度も巻き戻してしまう。車の窓は湯気で曇って何も見えないが、アリスは想像力を膨らませ、その手は自分の股間に伸び……でも、触れない。

 アリスはカトリック学校に通っており、こう教えられているから。「セックスは子孫を作るために神が決めたことです。だから結婚以外のセックスは許されません。マスターベーションもダメです」。誰もいない部屋でもダメ?「神はすべてお見通しです!」。

『ストレンジ・フィーリング/アリスのエッチな青春白書』は、そのタイトルとは裏腹に、厳しい禁欲教育を描いている。監督のカレン・メインは小中高の15年間をカトリック学校に通った経験から、この脚本を書いた。

「体験と違うのは『タイタニック』のこと。うちのビデオはリモコンがなくて、いちいち立って歩いて巻き戻しに行ってました」

 アリスはセックスに興味はあるけれど、奥手でウブで何も知らない。「サラダにドレッシングくらいかけるわよ!」と言ってしまって、学校で「ヤリマン」と悪評を立てられる。「サラダにドレッシングをかける」とは「肛門を舐める」というスラングなのに、それを知らなかったのだ。

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