『現代音頭集 Shall We BON-DANCE?』現在進行形ボンダンスが集結

――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

1978年、山口県生まれの山中カメラ氏。特殊写真家、パフォーマー、現代音頭作曲家として知られる。彼の10年間の作曲活動を網羅した作品集『現代音頭集 Shall We BON-DANCE?』(タバブックス)が先ごろ発売された。

 おそらく世界で唯一であろう現代音頭作曲家が愛媛県にいる。彼の名は山中カメラ。大友良英は東日本大震災以降の盆踊りリヴァイバルのきっかけのひとつともなった「ええじゃないか音頭」を作る際、山中作曲の「別府最適音頭」(09年)を参考にしたというが、その点ひとつとっても本連載的には重要人物である。彼の作品集『現代音頭集 Shall We BON-DANCE?』が2月に発売されたこともあり、今回は山中氏の音頭世界に迫ってみたい。

 氏は“田布施システム”なる陰謀論で有名な山口県田布施町の出身。もちろん、「田布施マフィア」の一員ではない(そもそもその陰謀論自体が実に馬鹿げた話ではあるが)。山口芸術短期大学卒業後、99年に東京へ。特殊写真家としてさまざまな活動を展開するなか、06年には茨城県の「取手アート・プロジェクト」に参加。ひょんなことから音頭の制作に関わることになる。山中氏はこう話す。

「ディレクターをやっていた音楽家の野村誠さんから『ここでしかできないコラボ作品をみんなで作りませんか?』という提案があったんです。シンセサイザーの元祖にオンド・マルトノという楽器があり、以前から触ってみたいと思ってたんです。なので、オンド・マルトノを使った『マルトノ音頭』を作ることになった。最初はだじゃれから始まったんです(笑)」

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