『Star Trek: Picard』必ず訪れる終焉というもの。ファンキーホモ、最終回!

『Star Trek: Picard』

(放送:CBS All Access)
今回は音楽を扱っていないからドラマを。スコットランド系イングランド人のサー・パトリック・スチュワートは、発声も訛りも明らかにUKの俳優なのに、当たり役はフランス東部にあるワイン農家出身の宇宙艦隊士官ジャン=リュック・ピカード! 90歳を超えた彼が再び宇宙へ!

 プリンスが86年に発表したバラードに「Sometimes It Snows in April」がある。歌詞にいわく「人生が終わらなければいいのに、と思うけど/どんなよいことにも終わりがくるんだね」――というわけで、本連載も突然最終回なのであります。

 この連載が始まったのは2013年7月号。第1回は「人気ラッパーの改心。でもラスタの世界は厳しいぞ!」と題して、突如レゲエ・アーティスト〈スヌープ・ライオン〉に変身した頃のスヌープ・ドッグを取り上げた。

 とはいえ、そのアルバムについての言及はほとんどない。彼のバックグラウンドであるアフリカン・アメリカン・カルチャーと、彼が入信したラスタファリアニズム――レゲエのバックボーンのひとつである、ジャマイカ黒人版アブラハムの宗教――との溝について、特に食生活をメインにねちっこく語っていた。

 つまり、一応“音楽系連載”ではあるものの、「この曲が巷で流行しています」「このアルバムがとても素晴らしいです」等々、シンプルな音楽紹介をするつもりがまったく毛頭絶対全然金輪際なかった、ということ。そのアーティストのヘリテッジ、エスニシティ、バックグラウンド、アイデンティティ、そしてカルチャーとフィロソフィ――そういうものについて書きたかったのだ。

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