>   >   > 人生最期のグラビア【遺影】研究

――最強のグラビア特集の企画で「遺影」!? 不謹慎だと思うなかれ、遺影は故人の最善の姿を写し出した最高のグラビアでもある。果たして、遺影はどのような成長を遂げてきたのだろうか? 歴史的背景から発展、遺影と密接な関係にある葬儀やエンディング産業との関係も、じっくり分析。

1810_iei6_300.jpg
(絵/沖 真秀)

 人々が写真を身近なものとして利用し始めてから、100年余り。人生のさまざまな節目を記録する役割はもちろん、使い捨てカメラやデジカメ、携帯電話の普及によって、より生活と密接な関係を築いている。中でも人生の最後をかたどる“遺影”は、故人を偲ぶ写真として必要な不可欠な存在だ。たとえどのような宗派に属していたとしても、ほとんどの家庭の仏壇が置かれた部屋には、遺影が飾られているといっても過言ではないだろう。

 日本人には「自然のものにはすべて神が宿っている」という「八百万の神」の精神が脈々と受け継がれていることもあってか、故人のありのままの姿を写し出した遺影にも、その想いが投影されているように感じるものだ。祖父母が住む田舎の旧家で、先祖代々の遺影が鴨居にずらりと並んでいたりする光景を目にしたことがある読者も多いことだろう。しかし、そうした写真のほとんどが“モノクロで無表情”ということもあり、薄気味悪さを覚える人も少なくない。しかし、写真技術の発展や意識の変化と共に、“カラーで笑顔”の遺影が圧倒的に増えた。若くしてこの世に別れを告げた者の中には、“プリクラが遺影”となっているケースもあるほど。また、終末期や死後を生前から考えておく“終活”ブームの影響から、「生きているうちに、最高の遺影写真を撮影しておきましょう!」と促すサービスも増加し、故人が動く“デジタル遺影”まで登場する昨今。

 本稿では、今特集の趣旨に則り、人生最後の最高の写真=遺影を、「ある種のグラビア」といった視点で考察し、その歴史と発展、ルールやタブーなどの実情に迫りたい。

 そもそも遺影の文化はいつから始まり、どのような発展を遂げてきたのだろうか? 葬儀の変容と死生観を研究する、国立歴史民俗博物館の准教授・山田慎也氏に話を聞いた。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年11月号

禁断の家電・ガジェット

禁断の家電・ガジェット
    • テック系企業の【経済地理額】
    • 次世代のテック系【注目都市】
    • 世界を席巻する【アジア家電】
    • 【D.O.I.×BERBAL】安室奈美恵論
    • 【アムロ】を支えたPの本音
    • 知られざる地方【テック企業】
    • 米国【大麻用電子たばこ】産業事情
    • 【星名美津紀】家電とエロス
    • 進化し続ける【アダルトVR】の今
    • 最新【バーチャルセックス】のしくみ
    • 【三代目JSB・山下健二郎】スニーカー愛
    • 【三代目Air Jordan Brothers】選出!
    • 【リバタリアン】生んだネットの終焉
    • 各国【ネット規制】の事件簿
    • 【ゲーム依存】はビョーキか否か?
    • 【モノ雑誌】の「読プレ」豪華番付
    • 【景品表示法】を弁護士はどう見るか

防弾少年団がアメリカを制する日

防弾少年団がアメリカを制する日
    • 今さら聞けない【BTS】基礎講座
    • 数字で見る【K-POP】世界進出
    • BTS支持層【アジア系アメリカ人】の連帯

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【忍野さら】友達の財布に私のトレカを入れるんです。
    • 【小林レイミ】デビュー4年目の初グラビア!
    • 振り返れば【芽衣】がいる
    • 【電力業界】に切り込んだ元フィンテック起業家
    • 【新潮45】を潰したのは誰だ!
    • 【阿波踊り】内紛の実情
    • 【中国】を支配する巨大顔認証システム
    • 【88ライジング】がアジアと米国を繋ぐ
    • 町山智浩/『ブラック・クランズマン』アメリカ・ファーストを謳うのは誰か
    • 政権の利益誘致政策に踊らされる【英語教育】の欺瞞
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/黒い水脈
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【おとぎ話みたい】文化系男子が患う恋愛の病
    • ギャング集団に所属するアパレル屋
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ビールの世界を超越し始めた【職人】
    • ひとりぼっちたちを繋ぐ【薔薇族】の誕生
    • 幽霊、雑誌の去勢と俗物主義の衰退。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』