>   >   > 【72歳】のユーチューバーが登場

――年齢を感じさせず、自らの手で日々動画をアップするアクティビティあふれる成羽さん。本業は女優でありながら副業的にYouTuberとして活動する奈良岡にこちゃん。年齢が約50も離れた両者が力を注ぎ込む動画投稿/配信の絶対的魅力とは何か? アンチ対策や炎上マーケティング、さまざまな角度から話を聞く!

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(写真/若原瑞昌・D-CORD)

 今や中高生の「将来なりたい職業ランキング」上位にランクインするにまで至った〈YouTuber〉。製品紹介系からハウツー系、果てにはアカウントがBANされないレベルのアダルト系まで、日々、無数の動画が配信され、月に数百万円を稼ぐツワモノさえいる時代。今回、本誌がそんなYouTuberの中から白羽の矢を立てたのは、72歳とは思えぬバイタリティで、「やってみた」「作ってみた」「すっぴんからメイク」から、ゲーム実況や生配信まで行う成羽氏。ご長寿ならではの説得力ある動画はもとより、ほぼ毎日動画をアップする原動力は、いったいどこから湧いてくるのだろうか? そんな成羽氏と同じく、YouTuberとしても活動し、本誌17年10月号にて初グラビアを披露した24歳の女優・奈良岡にこちゃんに協力してもらい、2人に“YouTuber”としてのモットーやポリシーを、余すことなく聞いてみた。

――お2人とも今回が初対面ですが、互いのチャンネルに対する率直な感想を教えていただけますか?

成羽 とにかく若さにあふれていて、パワーを感じました。

奈良岡にこ(以下、にこ) いえいえ、成羽さんこそパワー全開の最先端ですよ。正直、年齢を聞いて、ご趣味のガーデニング動画とか配信されているのかな……と思ったら、PS4のレビュー動画やゲーム実況動画をアップしていて、「な、何者!?」と思いましたもん。

成羽 わたくし、昔からゲームが大好きで、特に『ファイナルファンタジー』シリーズは1作目からプレイしていまして、新作が出るたびにハードも変わりますので、歴代のプレイステーションはすべて持っております。

にこ 私は胸がFカップなので、「私のおっぱいは、ファイナルファンタジーのFカップです☆」って言ったりしているんですけど、今の話を聞いて、ちゃんとゲームをやらないと、って思いました。

成羽 残念ながら、わたくしはFなんてございません。

――でも、YouTubeの検索窓に「成羽」と入力すると、「成羽 水着」がトップヒットしますよね。

成羽 昨年の夏、水着を買ったときに「着てみた」的に配信したんです。でも、全部は映さず、ギリギリのところで止めたんですけどね。

にこ チラリズム、やりますねえ。

成羽 やはり年齢を考慮し、中には「気持ち悪い!」「誰得だよ!」と思う方もいますので、配信する際は、そういうところに気をつけていますね。

――お2人のチャンネル登録者の年齢層や男女の比率を教えてください。

成羽 動画管理者はアナリティクス(アクセス解析サービス)をもとに、ユーザーの年齢や男女比がわかるのですが、わたくしのチャンネル登録者数は3300人弱、年齢は55~64歳がダントツで、男女比は2:8で圧倒的に女性が多いです。将来、わたくしくらいの年齢になられたとき、どんな余生を過ごすのが楽しいかな、という感じでご覧になっているのかもしれませんね。

にこ 私はアナリティクス、ほとんどチェックしてないなあ。チャンネル登録者数は6万7000人くらいで、男女の比率は6:4、ちょっと男性のほうが多いくらいです。

成羽 にこさんは、わたくしの20倍以上の登録者数ですもんね。わたくしはそのデータを見ながら、どんな動画がウケるのか? を考えながら配信しています。

にこ 成羽さん、超真面目!

成羽 最近はスマホを使用されているご高齢者が多く、Wi-Fiを理解されていない方も多いので、「高解像度で動画を見すぎると、制限がかけられますよ」というアドバイスもいたしております。

――チャンネル登録者数を増やす工夫はしていますか?

成羽 わたくしはツイッターやインスタグラムなども併用するようにしています。

にこ 私もSNSでの発信が多いかな。ちなみに前回サイゾーさんのグラビア効果かわかりませんけど(笑)、発売してからチャンネル登録者数は1万人くらい増えましたよ。

成羽 登録者数1万人って、結構大変なことなんですよね。しかもYouTubeの規約改定【※チャンネルの過去12カ月間の総再生時間が4000時間以上、チャンネル登録者が1000人に満たない場合は広告収益なし】によって、相当数がふるいにかけられますからね。今回の改定は1000人ですけど、きっと次はもっと厳しくなるんじゃないかと。

にこ この企画で「成羽チャンネル1万人突破!」とかなるかもしれませんよ!

成羽 そうなってもらえればうれしいですけど……目標はもっと高めに設定していまして、「生きている間に50万人」が、わたくしの目標です! 目標を高く持っていれば、言い続ける限り、配信し続けなければいけませんからね。

にこ すごい! 私は今のところ10万人が目標。登録者数が10万人を突破するとYouTubeから銀の盾がもらえるんですよね。100万人で金の盾。それをゲットできて、初めて一人前のYouTuberなんでしょうね。

――成羽さんは動画でも滑舌がよく、言葉遣いもとても丁寧です。以前はどのようなお仕事をされていたんですか?

成羽 外資系企業で訴訟に関するお仕事をしていました。もともと言葉遣いに厳しい両親に育てられたこともあり、くだけた話し方ができないんですよね。ただ、若い友人からは「成羽さんはキレキャラ」と言われることもあるので、動画でもそういう自分を出していきたいんです。

にこ それなら「キレキャラを演じてみた」という動画はどうですか?

成羽 それはいいかも! 普段は結構ズバッと言っちゃうんですよね。「冗談じゃないわよ!」みたいに。

にこ そのキャラのまま、ブチキレてほしい!もし成羽さんがキレキャラに挑戦してくれるのであれば、私は成羽さんになりきって、「こんにちは、わたくし奈良岡にこでございます」って配信しちゃう!

成羽 素敵なアイディアですね。何気ない些細なことでも動画のヒントになるんじゃないかと、いつもネタ帳を持ち歩いているんですが、早速メモっておきますね。YouTubeは苦し紛れのネタで動画を配信しても、そのつまらなさは顕著に現れてしまうんですよね。それは結果的に辛辣なコメントにもつながりますから。

――収録した動画配信に加え、YouTube上で生配信もされていますが、やはり辛辣なコメントはありますか?

成羽 そうですね、中には個性的な方もいらっしゃいますが、基本的にはみなさまとっても優しくて、安心してライブ配信できています。ありがたいことにモデレーター【※配信者から指名されてチャット上の秩序を保つ役割。チャット上ではユーザー名が青色で表示される】さんが3名おりまして、スパムユーザーからの荒らしを防いでいただいています。

にこ すごい、神3ですね! ちなみに私の生配信のときの辛辣なコメントは、見た目に対するものが多いですね。「黙れブス」とか。でも、私自身「ちょうどいいブス」を謳っているので、「もう、恥ずかしがっちゃって!」みたいにポジティブな対応をしてます。「いいから早く乳出せよ!」なんて言われても平気です☆

成羽 わたくしも「クソババア、去れよ」とか言われますよ。でも冷静に「そうね、わたくし、クソババア。でも、がんばるわ」と対応すると、「まあ、がんばれよ、ババア」と返ってきたり。反論するより受け止めるほうがいいんですよね。

――再生数を稼ぐために、あえて炎上を狙いの動画をアップすることは?

にこ それはしませんね。なにせ私の動画で伸びるコンテンツは、乳関係なので。1年くらい前に「ヌーブラ付けてみた![盛れた]」っていう動画をアップしたんですけど、男性の方に乳を見せたかったわけではなく、初めてヌーブラを買ってテンションが上がったので紹介したかっただけなんですよね。最近アップしている「スタイルをよく見せる」的な動画も、乳効果狙いではなく、女性向けにやっていることが多いです。

成羽 わたくしも「ヌーブラ付けてみた![盛れた]」やってみようかしら!

にこ 「ヌーブラ○枚付けてみた![盛れた]」とか面白いかも!

成羽 ネタ帳に書いておきます(笑)。ちなみにわたくしも、炎上狙いの動画は嫌いです。ネットで話題になっている出来事や事件に対し「私はこう思っている!」「私はそう思わない!」と、あえて苦言を呈すようなことはいたしません。確かに、ネットを利用される方々は揉めているところに集まってきますが、仮に炎上し、あとからアップした動画を削除できるとはいえ、記録に残るものなのでやらないようにしていますね。

――ちなみに炎上ではなく、これまで純粋に一番バズった動画というのは?

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成羽さんが自身のYouTubeチャンネルにアップしている「ジャバラ式のカード収納ケースの作り方」。丁寧な解説のおかげで、簡単に作れました。

成羽 わたくしは「ジャバラ式のカード収納ケースの作り方」です。

にこ それ、見ました! 成羽さん、言葉がきれいだから、すごく説得力があるし、「そもそもジャバラって何!?」という驚きもありました。失礼な意味じゃなく、こういった教える系動画は若いYouTuberがやっても説得力がないんですよね。成羽さんには人生を重ねてきた長年の知恵動画、ぜひ続けてほしい!

成羽 ほかにも「お洒落なマフラーの巻き方」や「浴衣のたたみ方講座」なんかもやりましたね。逆にまったくバズらなかった動画に「寝台特急カシオペアの旅」というのがあって、鉄道マニアの方にヒットするかなと思ったんですが、まったく刺さりませんでした(笑)。

にこ 私は「補正下着つけてみた」という動画が意外とバズらなかったなあ。サムネでめっちゃ乳を出したんですけど、“補正”って言葉がダメだったのかな?

成羽 サムネやタイトルは重要ですよね。パッと見でわかりやすいもの、かつタイトルの文字数は短めに。

にこ タイトルを変更するだけで再生数が変わったりしますもんね。あとは、関連動画に出てくることも重要ですよね。100万回以上再生されている動画の関連動画に出てくると、それだけ再生数は飛躍的に伸びることがある。

成羽 そういう意味ではアップする動画の“タグ付け”も大事ですよね。ちなみににこさん、“スーパーチャット”は使ってますか?

にこ えっ、なんですか、それ?

成羽 ライブ中に視聴者さんが投げ銭をしてくれる機能です。数百円から数万円まで。この間は、機材か何かの影響で配信に不具合が生じ、「なんなのかしら!」と愚痴をこぼしていたら、「成羽さん、元気出して!」と500円からスーパーチャットが始まりまして、ある方は、5万円を投げ銭してくださって。

にこ でも、それって批判の対象にもなりそうで怖いですね。

成羽 確かにスーパーチャットをやっている人は、あまりいませんね。登録者数が多くなれば、そんなことに頼らず広告収入を見込めますからね。

――そうしたライブも含め、動画をアップする際のポリシーなどはありますか?

にこ 私にとってYouTuberは、あくまでメインの活動ではなく、普段は女優業に力を入れているんですね。なので、動画では“こなれている感”を出さず、あえて素人っぽさを出すようにしてます。ヘタに作り込まず、編集もそこまで時間をかけたりしてませんね。

成羽 わたくしは完全素人なので、普通にしているだけで素人になります(笑)。ですが、にこさんと同じように、台本を作ったりせず、ありのままの自分を出すようにしています。

――お2人の話を聞いていたら、私もYouTuberになりたくなってきました。「自分もやってみようかな」と思っている読者の方もいるかと思うので、まず何からそろえるのがいいのでしょうか?

成羽 私はiPhoneの「完璧なビデオ」というアプリを使っています。すごく簡単なのでオススメですよ。動画の切り貼り、テロップや音楽の挿入など、簡単に編集ができます。あとはスマホ専用の三軸ジンバル。画面が揺れないので、外で歩きながら撮影するときに重宝します。

にこ いつも持ち歩いてるんですか?

成羽 いつどこにチャンスが落ちているかわからないので、近所にお買い物へ行くときも、常に持ち歩いています。

にこ 私はメインがミラーレス一眼コンパクトで、たまにGoProを使用してます。でも、もっとグレードアップしたい! 

――お2人にとってYouTuberとしてのゴールというのは?

成羽 ゴールは定めておりません。死ぬまでアップしていきますよ! ですので、「ああ、なんて楽しい人生だったんだろう」と思って死ねたらゴールですね。わたくしにとって動画を配信していくということは、終活といいますか、自分の記録を映像として残したいからなんですよ。YouTubeは自分史を残すのに最適のツール。一生懸命、生きた自分を残して、あの世に旅立ちたいと思っております。

にこ これはサイゾーさんの前回のインタビューでも話しましたが、「奈良岡にこってYouTuberもやってたんだ?」と言われるようになったら最高ですね。今は女優業よりもYouTuberとして見られることが多いので、その位置関係を逆転させたい。

――そこまで奮い立たせるYouTubeの魅力というのは?

成羽 活発に動かねばならない理由ができることで健康に過ごせるんです。そこに視聴者さんの反応がダイレクトに届くので、次なるモチベーションにつながります。わたくしの動画を見て「元気になりました」「癒された!」と言ってくださる視聴者の方たちがいらっしゃって、「わたくしはユンケルか!」と言ったりするんですけど(笑)、ここまで年齢を重ねてきても、こんなにうれしいことが待っているとは思っていませんでした。

にこ 素敵な考え方ですね。私は何かやりたいことがあって、それを発信する、表現するためのツールという意識。でも、今日の対談を通じて、スーパーチャットもそうだけど……(笑)、成羽さん、いろいろ勉強になりました!

成羽 わたくし、実は夢があるんですよ。それは、東海道五十三次をぶっ通しで自分の足で歩くこと。それをYouTubeで配信したいんです。でもね、この年だからひとりでは無理かなって不安に感じております(笑)。

にこ サイゾーさん、成羽さんの密着取材の出番ですよ!

(文/尾崎ムギ子)

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(写真/若原瑞昌・D-CORD)

成羽(なりわ)
1945年、岡山県生まれ。UUUMネットワーク所属。3年前からYouTuberとしての活動を始め、定番の商品紹介からゲーム実況などの動画を毎日アップ。愛機のiPhone 1台で、動画編集から投稿、生配信まで行う。目指すYouTubeチャンネル登録者数は50万人。
ツイッター〈@nariwa163
インスタグラム〈@nariwa0923


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(写真/若原瑞昌・D-CORD)

奈良岡にこ(ならおか・にこ)
1993年、埼玉県生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。芸人として活動した後、アパレルショップの店員として勤務するかたわら、女優としても活動。昨年の本誌では初グラビアに挑戦。
ツイッター〈@miso_nico
インスタグラム〈@miso_nico



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