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第1特集
現政権は、宗教団体によって支えられている!?【2】

信教の自由を盾に得票活動に精を出し宗教イベントに参加するあの政治家

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覇道を成すためなら、新宗教にも頭を下げる!?

 政治家が新宗教団体を票田と考え政治活動を行うことは、これまで本誌でも再三報じてきた。だが「崇教真光のイベントに安倍晋三首相が登壇!」などのニュースを見ると、やはりどこか不穏な気持ちがよぎらないだろうか? 果たして、政治家が宗教イベントに参加することで生じる問題点とは、どのようなものか?

 政治家が宗教イベントに参加することは、それほど珍しいことでもなく、隠されていることでもない。例えば、浄土宗の国会議員による親睦団体「浄光会」の新年総会(1月24日)には、自民党幹事長の石破茂をはじめ、代理を含めて計24人の議員が出席した。また、妙智会教団が東京・代々木で挙行した「節分追儺式」(2月3日)には、環境大臣の石原伸晃が参加している。少し時を遡れば、霊友会が東京・麻布台などで開催した「創立祭2011」は、小泉進次郎が駆けつけ、「国を思う力。変える力。」と題して講演したとの報道も見つかる。

 宗教イベントに限らず、選挙のたびに、全日本仏教会や立正佼成会などが推薦者を発表して支援体制を組んでいることからも、政治家と宗教団体の関係が密であることは間違いないだろう。

 最近、政治家の招待活動が目立つ宗教団体といえば、深見東州(=半田晴久)を“リーダー”とするワールドメイトだろう。例えば、資金提供問題で話題の猪瀬直樹や、文科大臣の下村博文が参加した「スポーツ平和サミット東京大会」(7月18~19日)、自民党副総裁の高村正彦や、小池百合子が参加した「世界オピニオンリーダーズサミット」(11月6日)は、深見が代表を務める団体が主催したと言われるイベントだ。カルト宗教に詳しい「やや日刊カルト新聞」の主筆・藤倉善郎氏は語る。

「スポーツ平和サミット東京大会には、安倍晋三首相もメッセージと花を送っていますね。ワールドメイトは多くの政治家とつながりがありますが、中でも関係が深いのは亀井静香。2010年7月、当時はまだ、国民新党の代表だった亀井は、参院選の最中に、深見が運営するコンサル会社・菱法律経済政治研究所(菱研)が行った七夕イベントに参加しました。イベントでは選挙の話はしていませんでしたが、そこで深見が『亀井さんが菱研の顧問になった』と発表し、聴講者から拍手喝采されていました。私はすぐに亀井事務所に『どういうことなんですか』と取材をしたのですが、事務所側は『党本部から選挙活動になるからと、依頼されて』と話していましたよ」

 藤倉氏は、ワールドメイトから政治献金を受けたとして、自民党群馬県第一選挙区支部、新党改革比例区第七支部、民主党参議院比例区第83総支部、国民新党友の会を挙げながら、言葉を続ける。

「同団体は、政治家個人にも金をばらまいている。小沢一郎(現・生活の党)は、民主党時代の10~11年にかけて菱研の顧問となり、顧問料をもらっていました。また、文科大臣の下村も自らが代表を務める自民党の支部に、09年に300万円の献金を受けています」

 ワールドメイト系列と言われるNPO法人・世界芸術文化振興協会が協賛する高校生国際美術展を取材した政治記者も、政治家の名前を挙げる。

「去年、取材に行ったときは、安倍、下村、亀井、鳩山邦夫などが式典に参加していました。当時、野党だった安倍は、『来年は自民党政権として、強力にこの美術展をバックアップしたい』と語っていました。安倍は今年も同展に、メッセージを送っています」

 また、幸福の科学も、多くの政治家とつながっている宗教団体として、外すことはできない。

「10年に幸福の科学が都内で行った尖閣諸島を守れ!国際平和シンポジウム『日本人よ、Awaken!~目覚めよ~』には、数名の地方議員たちが参加していました。新宿区ののづたけし、港区のなかまえ由紀、世田谷区のひうち優子。文章でメッセージを寄せたのは、文京区・上田由紀子(ここまで無所属)と北区・戸枝大幸です。特に自民党所属の戸枝は、『幸福実現党しかこの国を救えないと確信している』などとメッセージを送っていました。自民党が大敗した直後だったからでしょうが、そこまで言うのはちょっとどうなのかと思いましたよ」(藤倉氏)

 政治家が宗教団体と関係を持つことへの賛否はともかく、社会問題が指摘される宗教団体も散見される中、こうしたつながりをみると、どうしても彼らにキナくさいイメージがつきまといはしないだろうか?

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