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第1特集
ダンススクールから見る"エイベックス帝国"の野望【1】

教育ローンも準備! ダンススクールビジネスから見る巨大”エイベックス帝国”の野望

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――数々の所属アーティストを“広告塔”にダンス&ボーカルスクールを各地に展開、さらには「日本ストリートダンス協会」なる団体を立ち上げたエイベックス。このスクールビジネス事業の先に、同社は何を夢見るのか……?

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『SAMプロデュース Dream5とおどる はじめてのリズムダンスBOOK』(誠文堂新光社)

 2013年1月、エイベックス・グループ・ホールディングスが、12年の音楽ソフトの年間総売り上げ額を486億6000万円に伸ばし、国内のレコード会社として4年ぶりにトップに立ったと発表された。エイベックスのその勢いを支えているアーティストのひとつにEXILEがあり、彼らが所属している芸能プロダクションが、モデルの佐田真由美、長谷川潤なども所属するLDH。このエイベックスとLDHが共にダンス&ボーカルスクールを全国的に展開し、全国のアーティスト及びダンサー志望の少年少女たちから熱い支持を集めていることはご存じだろうか?

「エイベックスはAAA(エイベックス・アーティスト・アカデミー)、LDHはEXPG(EXILE PROFESSIONAL GYM)というスクールを手がけていて、今やダンス&ボーカルスクールの二大巨頭とも呼ぶべき存在。AAAはgirl next doorやAAA(トリプルエー)、EXPGはE-girlsなどのアイドルグループをそれぞれ輩出し、生徒数も増え、大きなビジネスとなっています」(芸能事務所関係者)

 現在の日本の音楽業界のキープレイヤーが手がけるスクールビジネス。その運営実態や目的はどこにあるのだろうか? 探ってみるとしよう。

 まずはAAAについて。同スクールの「校長」は、ご存じマックス松浦。つまりエイベックス・グループ・ホールディングスのトップに君臨する、同社代表取締役社長CEOの松浦勝人氏である。そしてAAAの運営会社は、同グループの100%子会社であるエイベックス・プランニング&デベロップメントなる会社で、社長は青木義人氏。90年代末にTRFのSAMなどと共に『RAVE2001』(テレビ東京)なるダンス番組などを手がけていた人物だ。AAAは01年10月に東京校を開校して以来、直営のスクールとして大阪校、名古屋校、福岡校と次々に増設。さらに全国160カ所以上のスポーツジムなどと提携して、自社のインストラクターを派遣している。

 一方のEXPGは、EXILEのリーダーでありLDHの社長でもあるHIROを「代表」として、03年に開校。東京、宮崎、札幌、大阪、松山、福岡、沖縄、名古屋の全国8カ所に加え、台北にもスクールを構えている。ある大手芸能プロのマネージャーは、この2スクールについてこう語る。

「これだけ両スクールがはやっていると、別の芸能プロがオーディションをやっても、ここの生徒がたくさん受けに来るんですよ。うちとしても経験がある子は育てやすいし、スクール側も他社のオーディションを受けることは別に禁止していないので問題はないのですが。ももいろクローバーZの有安杏果(EXPG)など、ここ出身で他社でデビューしたアイドルなんかも増えていますね」

 場合によっては、他社に所属しながらこのスクールに通っているという例も。

「音楽系のレッスンのノウハウをあまり持っていない芸能プロの中には、エイベックスに話を通した上で、自社タレントをAAAに通わせているようなところもありますね。所属タレントを育ててもらっている、という感覚ではないでしょうか」

 では、こうしたスクールに通うには、一体どれほどのレッスン費が必要なのか? AAAにはヴォーカルや声優養成などいくつかのクラスがあるが、例えば「ヴォーカルマスタークラス」に週1で通う場合、入学金および1年間の授業料の総額は42万9500円、つまり月々約3万6000円程度という計算だ。すべてのコースがこの額ではないとはいえ、一般的に1~2万円の月謝を払っている例は珍しくないというから、一般家庭の感覚からすれば「安い」とはいいがたい額だろう。そのためかAAAはなんと、信販会社大手のJACCSと提携し、公式サイト内に最大70万円弱まで借り受けすることのできる「教育ローン」まで用意しているから驚きだ。

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