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第1特集
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ウンコは自宅で済ますべし!? 新聞記者が語る電機メーカー赤字事情"裏のウラ"

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──日夜大手企業に取材をかけている新聞記者たちに聞く、電機メーカーの"素顔"。でもホントにヤバいのはメディアのほうだった!?

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公的資金注入について"取材規制"を敷く経産省。

[座談会参加者]
A…全国紙経済部電機業界担当記者
B…全国紙経済部デスク
C…経済誌記者

A 相変わらず景気は良くないですね。パソコンで「未曾有の世界同時不況」って、もう1000回は打ってるんじゃないかな(苦笑)。

B 好景気のときよりも、不況になったときのほうが経済部は忙しくなるよな。「×●事業から撤退」とか「○×工場を閉鎖」とか、次から次とニュースが出てくるけど、暗い話ばっかりだから、取材するほうもさすがに気がめいる(苦笑)。

A 電機メーカーへの公的資金注入の取材も本当に大変ですよ。メーカーに取材に行っても「悪いけど一言もしゃべれない」と、剣もホロロ。どうやら、経済産業省が「マスコミに余計なことをしゃべったらどうなるかわかっているよな」って脅しているみたいなんですよ。でも、デスクからは「なんでもいいから原稿を出せ!」って脅されるから、仕方なしに経産省の役人や金融機関の幹部の家に夜回りに行って、どうにか原稿を書いている状態。経産省幹部の家の前にいる記者が電機メーカー担当ばっかりなんていうのも、最近よく見る光景ですよ。

B メーカーも、自力じゃ業績回復ができないから必死だよな。でも、最近ちょっとは景気が改善したっていう話も聞くけど、実感はまったくないな。確かに、昨秋から今年3月ぐらいまでの"ジェットコースター"といわれるような景気悪化はだいぶ収まったんだろうけど、あくまでも、"V字回復"じゃなくて"L字回復"がやっと。

C 一時期は企業の広報担当者との飲み会も皆無で、忘年会シーズンの銀座も閑古鳥が鳴いていましたけど、最近は徐々に飲み歩く機会も出てきてますしね。でも、飲んで話すのは「景気が悪い」ってことばかりだけど(笑)。

A 広報との飲み会がないなんて別に困らないけど、不況の影響で広報と連絡がとれなかったのには本当に驚きましたよ。

B なんだそりゃ!?どうして連絡が取れなかったんだよ?

A あるとき広報に確認することがあって会社に電話をしたんですけど、平日のまだ日が明るい時間なのに誰も電話に出なかったんですよ。焦って仲の良い広報担当者の携帯電話に連絡したら、「今日は無給休日だから、いま子どもと遊んでいるところ」って。よくよく聞いてみると、そのメーカーは業績改善策として月に1日ぐらい平日を無給の休日にして実質的な賃金カットにしていたんですけど、まさか広報までいないとはね……。

B そりゃすごいな。でも、ちょっとでもコストを圧縮するために経費削減も激しくなっていて、工作機械で世界トップレベルのファナックなんかでも、海外出張は原則禁止にしたそうだ。どうしても業務上必要な場合は会長の許しが必要らしいけど、それじゃあ、わざわざ出張に行こうとも思わないだろうな。

C ゴミを出すにも費用がかかるから、社内からゴミ箱を撤去したなんて会社もあるそうですね。そのうち「水道代がもったいないからウンコは家でしてこい」なんて社内通達が回る会社も出てくるんじゃないかな(笑)。

B でも、一番カットしやすいのは広告費。並み居る大メーカーが広告出稿を取りやめて、新聞社やテレビ局の業績はひどい状態になっている。とりわけ、収益に占める広告費の割合が7割程度と高くなっている日経なんて、4月に大手町に豪華絢爛な新ビルを建築しちゃったこともあって、台所は火の車みたいだ。まぁ、日経はもともとの業績が良かったからなんとかなってるけど、うちとか他の一般紙も笑っていられるような状況じゃないな。

A ああ、やっぱり不況の影響を最も受けているのは、電機メーカーじゃなくて、我々マスコミなんですね(涙)。


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