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丸屋九兵衛の「バンギン・ホモ・サピエンス」【18】

【Sidney Poitier】名優は静かなる反逆者

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――人類とは旅する動物である――あの著名人を生み出したファミリーツリーの紆余曲折、ホモ・サピエンスのクレイジージャーニーを追う!

Sidney Poitier

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(絵/濱口健)

バハマ国民でもあり、1997年から10年もバハマの駐日特命全権大使の職に就いていた。非常勤扱いで日本駐在ではないが、この事実に我々はもっと感謝すべきではなかったか。また、そのまま政界に出れば別の可能性もあったのでは、とも思う。

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もう3年ほど前。映画『ブラック・クランズマン』(2018年)で、本人役としか思えないハリー・ベラフォンテを見て、「これが最後の銀幕出演だろう」と思った。だから彼の盟友が先に旅立ったと聞いて、意外の感に打たれたのだ。

ベラフォンテと同じ1927年、わずか9日前に生まれたシドニー・ポワチエ。50年代から60年代、ハリウッドが限りなく真っ白に近い時代、黒人俳優がマイナーだった時期に主役として活躍し続けた唯一の男。その功績は、メジャーリーグにおけるジャッキー・ロビンソンに似ている。

出自は興味深い。シドニー・ポワチエは1927年2月20日、フロリダ州マイアミ生まれ。しかし両親は、大英帝国領バハマ諸島(独立はずっと先の73年)内のキャット島の農民。なのに、なぜマイアミで? 実は、自慢のトマトを売りに渡米中、母が突然産気づき、予定日より3カ月も早く出産に至ったのだ。「まず助からない」と言われていたが、アメリカに留まり懸命の看護を続けた両親のおかげで九死に一生を得る。人生の最初から波乱だったが、より重要なのは、アメリカで生まれたため同国市民権が自動的に付与されたことだ。UK臣民であり、バハマ国民でもあり続けたのだが。

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