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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第157回

『ミナリ』韓国移民一家による米国南部での苦悩と聖書と神の恩寵

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『ミナリ』

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時は1983年、アメリカ南部・アーカンソー州の片田舎に韓国からの一家が移住してきた。農業でアメリカン・ドリームを夢見るも、住む家はトレーラーハウス、さらに幼い息子には心臓の疾患が。やがて祖母スンジャを韓国から呼び寄せることになるも、農業経営はうまくいかず追い詰められていく……。第36回サンダンス映画祭でグランプリと観客賞、第78回ゴールデングローブ賞外国語映画賞、第93回アカデミー賞助演女優賞を受賞。
監督:リー・アイザック・チョン/出演:スティーブン・ユァン、ハン・イエリ、ユン・ヨジョンほか。全国劇場公開中。

『ミナリ』は韓国系移民2世のリー・アイザック・チョン監督の少年時代を基にしている。

 1983年、韓国からの移民のリー一家がアーカンソー州の田舎に引っ越してくる。夫ジェイコブは貯金をはたいて土地を買ったのだ。彼は妻モニカとヒヨコの雄雌鑑定士として働きながら、自分の土地を韓国野菜の畑にしようとするが、幼い子どもたちの面倒を見る余裕がない。5歳の息子デヴィッドには生まれつき心臓に小さな穴があり、心配だ。そこでモニカの母スンジャ(ユン・ヨジュン)を韓国から呼び寄せるが……。

『ミナリ』が言葉と人種の壁を越えてアメリカで高く評価されたのは、開拓農民家族の苦難という移民国家アメリカの原点を描いているからだと言われているが、実はそれだけではない。

「エデンの園だよ!」

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