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『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【62】

有終の美を飾り、なお磐石――世界中の『麻衣』よりきっと

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『白石麻衣』

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10月28日、アイドルグループ乃木坂46・白石麻衣の卒業ライブが無観客配信で開催され、大盛況を収めた。本人は同日をもってグループを卒業。人によっては卒業ライブと実際の卒業の日が違って、ややこしい時あるよね。

「乃木坂46なら、生田絵梨花か秋元真夏っスね~」

「俺、最近になって齋藤飛鳥の良さがわかってきた」

「与田祐希もいいですよ」

「OGだけど桜井玲香も好きなんだよな~」

「あ~わかります」

 平日深夜、担当編集と交わしたラインのやりとりである。

 今回のネタ決めをしていたはずが、なぜか急に乃木坂46に萌え始めお互いの好きなメンバーを言い合うという、中年の修学旅行の夜と化したやりとり。最終的に出た答えが「やっぱ、まいやんが最強!」という身もふたもない結論であった。

 まあ、4期生の名前がひとりも出てこない&「結局まいやん」という時点でにわか感がハンパないが、この「あまりにも王道」と思わせてしまうところが、まいやんのスゴさであると思うのだ。

 そんな“下り坂44”のセンターこと私が今回取り上げるのは、10月28日に乃木坂46を卒業した“まいやん”こと白石麻衣である。あ、44っていうのは年齢ね。あとセンターは立ち位置っていうより、スポーツセンターみたいなニュアンスで。

 そんな余計な注釈で読者を煙に巻いたところで、本題に戻るが、まいやんは良い意味でキャラがない。イジりどころがないとも言える。「私のことは嫌いでも……」といったギャグがあるわけでも、スキャンダルで頭を丸めたり、「おバカ」キャラでバラエティ番組を席巻したわけでもない。しかも、常にセンターを張っているわけでもなく、なんならセンターの娘を支える立ち位置であったりもする。にもかかわらず「圧倒的エース」と称されるのは、ひとえに彼女の見映えだけでなく、内面からもにじみ出る「圧倒的美しさ」のせいであると思う。

 いまや「2分に1人は卒業」くらい日常化してしまったアイドルの卒業だが、今回のまいやんの卒業ライブを見て、改めて「卒業は神聖なものである」と感じた人は多いはずだ。当初は5月に東京ドーム3デイズでの予定だったのがコロナで中止となり、卒業も延期となっていた。おそらくギリギリまで観客を入れたライブを検討していたとは思うが、好転しない状況を鑑みて無観客のオンラインライブに踏み切ったのだろう。そりゃ東京ドーム3デイズに比べたら無観客オンラインは、ティッシュで作ったバラが飾られた誕生日パーティくらい見劣りするイメージだ。同時期に卒業ライブを予定して中止・延期となっている他のアイドルたちも、そういった理由から開催に二の足を踏んでいるのだと思う。だが結果、まいやんの卒業ライブは推定68万人が視聴するという有終の美を飾ることとなった。

 これをもって卒業が延期になっていた娘たちが事務所から「まいやんがオンラインなんだから、あなたたちもオンラインでいいでしょ」と言われそうだが、これは彼女の求心力あってのことなので、そのへんのアイドルがやるとやっぱりティッシュのバラになってしまうので気をつけてもらいたい。

 そもそも卒業の意味合いにおいても、まいやんは特別だ。大抵のアイドルの卒業理由が「やりきった」「長くいすぎた」「転職感覚で」といった自分都合である。もちろんまいやんも本人の意向ありきだが、個人的には乃木坂の番組などを観ていても最近では彼女の存在自体が大きくなりすぎて、乃木坂46という器では収まりきらなくなってきたと感じることはあった。そういう意味で本人、メンバー、外部も含め「もうそろそろ行かなくちゃ」といった全員納得の卒業であると思うのだ。

 してまた、卒業後の進路に関しても、まいやんは盤石だ。卒業後は歌手だの役者だの、海賊王になるだのとファンから見ても「大丈夫か?」と思う進路を発表するアイドルも多い中、まいやんはモデル、女優を中心に音楽なども含め幅広く活動していきたいとのこと。要は乃木坂にいた時と活動内容は変わらず、単に“卒業しただけ”。キープオンまいやんなのである。

 なにが「である」なのか自分でもよくわからないが、会社員ですら副業を推奨されるご時世だ、下手に業種は絞らないほうがいい。もちろんジャンルを広げたところで、まいやんのことだ、一つひとつに真摯に取り組むのは間違いない。かつてこれほど周囲を安心させる卒業があっただろうか。

 今後、日本のどこかで行われるであろう深夜の乃木坂46談義において、「OGだけど白石麻衣が最強」の声は、途絶えることはないだろう。余談だが、冒頭の担当編集とのやりとりの最後の最後「でもやっぱ、橋本奈々未も最強じゃね」「ですね」というターンがあったのはここだけの話だ。最強は何人いたっていいと思う。

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
まいやんよろしく、仕事の幅を広げようと「日刊サイゾー」でも連載を始めた40代独身男性。結局「サイゾーの中の蛙」になってしまい、あまり広がりを感じていない。

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