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DJ DARUMA & JOMMYの「BLACK PAGE」【2】

【DJ DARUMA & JOMMY】自粛期間に気になったカルチャーあれこれ

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――ダンスフロアからの新たな刺客。DARUMAとJOMMYの画期的音楽探究。

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(写真/岩澤高雄・The VOICE)

JOMMY(以下、J) 自粛期間中は時間ができたから、もともとYouTubeなんかでディグったりするタイプじゃなかったんだけど、結構ハマったんだよね。

DJ DARUMA(以下、D) 何か出会えた?

J ゆるふわギャング。存在は知っていたけど、しっかり曲を聞いたことがなくて。かつ、あまり表に出ちゃいけない人たちなのかな、っていう印象もあって。

D こらこら。

J いや、良い意味でね。

D 良い意味で表に出ちゃいけないって、どういう意味?(笑)

J ギリギリの感じっていうのか、近づいたらケガしちゃうのかなとか。でも、しっかり曲を聞いてみたらアーティスティックでさ。うちの奥さんがサブカル好きのトランスあがりってこともあって、ある日、朝からリビングでサイケデリックな音楽がかかっていて、それがゆるふわのEP『GOA』だったんだよね。そこで興味が湧いて、そこからヘンタイカメラにたどり着き、YouTubeチャンネルの動画をチェックしたら、現行のヒップホップシーンにいながら、ほかとはなんか違うリレーションを持っていて、個性的で面白いなと。

D 昔から仕事の空き時間にストリートのキッズをインスタでチェックするようにしてるんだけど、ゆるふわのNENEさんがアーティスト活動を始めるずっと前、それこそ素人時代から何度か拝見してて。アンバー・ローズが好きなヘッズの女の子なんだなー、って思いながらチェックしてたんだけど、そこからRyugo Ishidaくんとゆるふわを結成して、しっかりブランディングも始めてさ。どんどんアーティストとして成り上がっていく姿を目の当たりにしてたら、ついにはケミカル・ブラザーズの「Eve Of Destruction」(19年)にフィーチャリングされて。彼らはアティチュードが刹那的でパンクというか、我々のようにいろいろ経てきた大人にもすごく魅力的に映るよね。俺はご本人たちとはお会いしたことないんだけど、JOMMYある?

J 俺、あるんだよね。

D え、どこで?

J 2年ぐらい前に目黒の「B&M」ってステーキハウスにJP THE WAVYと彼女のNIINAちゃんとご飯を食べに行ったとき、ちょうど入れ違いでRyugoくんとNENEちゃんが店から出てきてさ。ビジュアルインパクトが強烈な4人が目の前にいて、視聴者自分だけ、何か得した感じ! みたいな(笑)。

 それと強烈といえば、チカーノKEIさんもめっちゃハマった。カメラマンの名越啓介さんの写真集で知ったんだけど、家庭環境に恵まれない子どもたちを保護したり、アルコールやドラッグ依存症の人たちの救済とか、社会貢献的な慈善事業をしていてすごいなあと。その一方で、アメリカの刑務所に収監されていた時代のエッジの効いた昔話のギャップが面白い。YouTubeチャンネル〈ONENESS CARETAKER〉とか、Netflixのドキュメンタリー『HOMIE KEI ~チカーノになった日本人~』も見て、話し方や落ち着いた雰囲気とかも含めて大ファンに。活動内容も素敵で、しかも映画の発表会のとき、アメリカで仲良くなったチカーノギャングのホーミーたちを茅ヶ崎のマリーナに集合させてさ、漢(a.k.a. GAMI)くんとD.Oくんをワッツアップさせるストーリーとか「さすが!」って思った。

――KEIさんはサイゾー的にも興味深い方のひとりですが、ちょっと音楽の話に戻っていいですかね。連載収録前の雑談で、昨今のクラブシーンにおけるハウスの流行から、レディー・ガガ&アリアナ・グランデ「Rain On Me」が、ハウスを取り入れて世界的ヒットにつながった、という話が興味深かったです。

D そうですそうです。そもそも「Rain On Me」ってカシアスが99年にリリースした「Feeling for You」をかなり踏襲して作ってて。しかもそれは79年のグウェン・マクレーの「All This Love I'm Giving」をサンプリングしてるんだけど、この20年タームでサンプリングする狙いどころが美しい。さらにガガやアリアナを聞いている若いリスナーは「これが最先端のポップミュージック」だと思って普通に聴いてて、ハウスやサンプリング云々はまるで関係ないって図式も美しい。このヒットによって、「ハウスをベースとしたポップスがヒットする」っていうフォーマットはしばらく続くんだろうな、って感じた。最近スタジオでK-POPも研究してるんだけど、ハウスを取り入れた楽曲だらけで興味深いです。

――確かに近頃のK-POPはハウスを採用した曲が増えてますもんね。

D あとは、自粛中というか引き続き通常運転でお笑いシーンもチェックしてるので少しお話しさせてください。毎年年末にかけては言わずもがな漫才のチェックが多くなっていくんですが、漫才は“スタイルウォーズ”だと思っていて、それはダンスやラップにも通ずるところで。10年くらい前だったかな、俺がストリートシーンで四面楚歌状態になったときがあって、そんなツラい時期に支えてくれたのがお笑いとJOMMY。

J そんな時期あったねえ。

D 笑ってるときはヤなこと忘れられるからね。最近だと去年のM-1以降ニューヨークさんのシーンでの立ち回りがすごく面白くてずっと追ってる。屋敷さん(ニューヨーク)は、バイク川崎バイクさん、さらば青春の光の森田さんと仲が良くて、この3人が登場する森田さんのエッセイ『メンタル童貞ロックンロール』(KADOKAWA/19年)を自粛期間中に読んだんだけど、合コンで巻き起こる女の子たちとのやりとりがすげえ面白い。

J お笑いは全然ディグってないなー。

D ビビる大木さんが好きなんだよね。

――めっちゃ時代が止まってますよ。

J 今は四千頭身を奥さんと息子から教わりました。

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DARUMAいわく「コウテイはアーティストに置き換えると“エイフェックス・ツイン”」——その理由は「理解するのに時間がかかるけど、いずれ万人受けする奇抜さがある」とのこと。確かに!

D 鬼越トマホークさんもグイグイきてますね。鬼越さんと金属バットさんのライブ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』をひとりで観に行ったりしてます。さっきスタイルウォーズって言葉を出したけど、例えば最近話題の〈お笑い第7世代〉を音楽シーンで置き換えたとしたら、EXITさんはテカシ・シックスナインぽいなって思ったり。格好だけかもだけど(笑)。あと、今年ABC(お笑いグランプリ)で優勝したコウテイさんのネタもすごくて、最近まで少し難解なグルーヴだったんだけど、その日見たネタは奇抜さの中にも洗練された雰囲気があって。我々世代の音楽でいう“エイフェックス・ツイン”を感じました。

――その置換、興味深いですね。

D 18年の優勝以降、大活躍の霜降り(明星)さんに代表される〈第7世代〉の“余裕に見える感じ”っていうのは、世代特有のものなんですかね? ネタはバシッとキメるのに、普段の立ち回りからは“余裕感”や“清さ”を感じる。自分たち、もしくは同世代の周りのチームですべて完結させる雰囲気は、BIM(Creative Drug Store)やkZmにも通じるものがあるというか、昔でいうスチャダラパーさんのLB感がある。さっきも話に出たゆるふわもそうだし、KOHHやYENTOWNも個人的にはそんなイメージ。LDHでいったらジェネの玲於やメンディー、亜嵐にも同じヴァイブスを感じる。あとラランドさんとかさ。逆に俺らが“超がんばりたい世代”だったから、この世代のテンションに惹かれるのかな。

J 舐達麻とかそんな感じがするな。トラップとはまた違う分野で活躍しながら、ラップは16小節に命かけてる感があって、刺青も含め芸術作品として昇華してる。

D ラップ世代も十分に育ってきたし、さらに次の世代がもっと余裕感を出してくるのか、アツさを見せるがんばりたい新世代が出てくるのか、引き続き良い意味でのジェネレーションギャップも興味深いね。

(構成/編集部)
(写真/岩澤高雄・The VOICE)

DJ DARUMA(DJだるま)
ヒップホップの魂を持って世界各国のダンスフロアをロックするDJ/プロデューサー。DJ MAARとのユニット〈DEXPISTOLS〉として、EXILE HIROの呼びかけによって集結したユニット〈PKCZ®〉のメンバー(MAKIDAIとVERBALも含む)としても活躍。
Instagram〈djdaruma

JOMMY(じょみー)
10代からストリートダンスを始め、東京のダンスシーン/クラブミュージックシーンを牽引する存在。〈DJ DARUMA & JOMMY〉として、昨年からスタートした新世代ハウス・パーティ『EDGE HOUSE』のレジデントも務める。
Instagram〈jommytokio

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