サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 氷川きよしに何が起きたのか?【5】/【丸屋九兵衛】ヒップホップときよしの交差点

――“演歌界のプリンス”と呼ばれてきた歌手の氷川きよし。このところ、“変身”が見られるとして話題となっている。また、週刊誌で“生きづらさ”を語ることもあった。しかし、これらがいわゆる“カミングアウト”に当たるとは言いづらい。一体、何が起きているのか――。フワッとした報道ばかりの状況下、本誌は徹底的に論じる!

丸屋九兵衛(万物評論家)

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まるや・きゅうべえ
京都・伏見稲荷出身。ブラック・ミュージック専門誌「bmr」を経て、現在は同名ウェブサイト所有者。米欧社会のマイノリティと親交があり、折に触れてLGBTQ音楽イベントも開催している。著書に『丸屋九兵衛が選ぶ、ストレイト・アウタ・コンプトンの決めゼリフ』(スペースシャワーネットワーク)など多数ある。

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左よりフランク・オーシャンが表紙の「GQ」本国版2019年2月号、ジャネール・モネイが表紙の「GLAMOUR」18年12月号。

 最近の氷川きよしさんのアレコレを見て思ったのは、アメリカの俳優ジョージ・タケイ(82歳)が68年かかったことを、彼はたった42年でできたということですね。タケイについては以前から自伝『To The Stars』(1994年)を読んで、マグロの刺身への偏愛は語られているのに、私生活が絶妙にボカされていることが気になっていました。そうしたら2005年になって、ようやくゲイであることをカミングアウトしました。

 これによって、彼は収容所出身の日系人であり、さらに同性愛者という“絶対マイノリティ”の切り札を揃え、最弱にして最強の論客となったと思います。黒人NBA選手によるホモフォビア(同性愛嫌悪)発言にも、彼はまともに反論せず、「我々ゲイは君たちのようなNBA選手が大好きなんだ」と、その選手のポスターの股間あたりを撫でまくり、「いつか君とセックスする」というジョークでかわしていました。

 ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で、ティリオン・ラニスターがジョン・スノウに向かってこう言うシーンがあります。「自分が私生児であることを忘れるな。むしろ、それを鎧としてまとえ。そうすれば、奴らがその事実を利用して君を傷つけることはできまい」。まさにそれ。

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