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萱野稔人と巡る超・人間学【第2回】

萱野稔人と巡る【超・人間学】――「化石人類から見える人間の根源」(後編)

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(前編はこちら)

――人間はどこから来たのか 人間は何者か 人間はどこに行くのか――。最先端の知見を有する学識者と“人間”について語り合う。

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(写真/永峰拓也)

今月のゲスト
更科 功[分子古生物学者]

萱野稔人の新連載企画。前号に引き続き、分子古生物学者の更科功氏をゲストに招いて“人類の進化”を論じ合う。更科氏は“一夫一婦制”が人類を特有の方向に進化させたという。その真意は――!?

進化を促進させた一夫一婦制

萱野 前回の最後で更科さんはこうおっしゃっていました。「(人類において)オス同士の争いが減っていったことと直立二足歩行の進化が同時に起きたことを説明することができる仮説がひとつだけあって、それが“一夫一婦制”です」と。

 チンパンジーの場合、群れのなかでオスもメスも複数の相手と交尾をしますよね。ですので、生まれてきた子の父親は誰かわからず、子は群れのなかで育っていく。これに対して、人類はオスとメスが一対一のつがいとなって子を生み、そのつがいが子を育てる“一夫一婦制”のなかで進化してきた、ということですか?

更科 もちろん、チンパンジーのような多夫多妻から人類がすぐに完全な一夫一婦制になったわけではありません。最初は集団の中に一夫一婦的なつがいが少しいるだけでいいんです。例えば、一匹のオスが複数のメスと交尾をして何人もの子を作っていたとしても、あるとき「これは自分の子だ」とわかる子がいて、自分の子に優先的に食べ物を持ってくる。そういう行動をとるオスが集団内に数頭できるだけでかまわないんです。

萱野 オスが浮気をしなくなったということではなくて、どの子が自分の子かわかるようになることが重要なんですね。そもそも“浮気”は一夫一婦制が確立してから生まれた概念なので、順序が逆ですし。

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