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【premium限定連載】芸能ジャーナリスト・二田一比古の「週刊誌の世界」

疑似恋愛をウリにする"アイドル"の宿命か? 関ジャニ∞のストーカーに見る、ファンとの悩ましい距離感

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「そろそろ限界だ」「すごく憂鬱」「寿命が縮まっているのではないかとも感じる」

“関ジャニ∞”の大倉忠義(33)が極一部のファンの女性の悪質なおっかけやストーカーまがいの行為に対して現在の複雑な心境を綴った。

「ファンファースト」のジャニーズタレント。本来、事務所がファンに対して、応援する際のルールなどを注意喚起するものだが、タレント本人が暴走するファンを直接批判するのは極めて稀なこと。それほど彼女たちの行動は目に余るものになってきている。

 移動に使用する駅などで待ち伏せ。いきなり抱き着く。手を握ってくる。バッグの中に物を入れる。お店に入ると隣の席で話を盗み聞きする。妄想したラブレターを入れる。Etc.

 こうしたファンに対しての忠告が込められているが、対策も難しいのが現状だという。

 多少力づくでも、無理やり排除するとか、ファンクラブの会員から退会させる処分をするなどの方法が思い浮かぶが、変に刺激すると行動がさらにエスカレートする可能性もある。過去には、松田聖子が舞台に上がってきたファンにあやうく殴られそうになったこともあれば、最近ではAKB48の握手会でファンに手を傷つけたられたりする事件も起きた。注意喚起がきつくなれば、さらにエスカレートするのがストーカーにも似たファンの心理でもある。直接ストーカー行為をするだけでなく、もっと陰湿なやり方もある。グラドルもアイドルと並び過激ファンの多いことで知られている。元グラドルのケースを紹介する。

「私が住んでいたマンションの前にいつまでも立っている男がいた。夜帰ってもいるし、朝出かける時もいる。別になにをするわけでもない。私の出入りを見て薄気味悪い笑いを浮かべるだけ。家の前の公道に立っているだけですから違法ではない。ストーカーと判断するわけにもいかない。その男の為に何度か引っ越しまでしました」

「よくプレゼントやファンレターを貰いますが、まともなものに交じって、“これを履いてステージに立って”とスケスケ素材のパンティーが入っていたこともあれば、コンドームもあった。それも精子が入っているものまで。捨てるしか方法はなかった」

 大倉も厳密に言えば、直接被害を受けたわけではなく、ストーカー的な行為として警察に届ける手もあるが、あまり大騒ぎにしたくないのが本音。

「仮に警察を呼ぶ事態になれば多くのメディアで報じられる。すべてがジャニーズに同情的な声ならいいが、警察を使ってファンを排除したと批判される可能性もある」(芸能関係者)

 外国の大物アーティストに見られるように、屈強なボディーガードを付ける方法もあるが、日本の芸能人が同じことをすれば、「なにを大物ぶって」と逆に顰蹙を買うのがオチ。事務所ぐるみの対策も難しい。芸能関係者が話す。

「ジャニーズ事務所にしてもタレントが増加する一方で、現場のマネ―ジャーさえ不足しているのに、個人に付き人なりをまわしてタレントをガードする余裕はないはず。結局、自己防衛手段を考えるしかないと思う」

 ジャニーズとファンの関係は長年に渡って培われたものである。日本の最初の男性アイドルグループとして登場した歌って踊れるイケメンたち。たちまち女の子を夢中にさせた。タイプの違うイケメンが増えれば比例するようにファンも増える。しかし、本来の芸能人の人気の形ではないのがアイドル。歌や芝居から歌手や俳優を好きになり応援するのが本来の形だが、アイドルは歌や踊りは二の次。ビジュアルありきで人気を博する。「可愛い」「カッコいい」とファンはアイドルとの疑似恋愛の世界に入る。目が合っただけで「私のことを気に入っている」などと疑似恋愛はエスカレートしていく。ファンの数が増えれば、疑似恋愛にハマっていく子も増える。ファン同士が「泊まり先は〇〇ホテル」と情報交換する時代。1人ではタレントに近づくこともできないが、仲間が増えれば行動も大胆になる。ハロウィンの渋谷で暴動を起こす若者たちにも似た群集心理が働く。そんな子でもファンに変わりはない。排除は難しい。ファンを減らすことはアイドルにとって命取りにもなりかねない。

 彼女ができれば必然的にファンは離れる。ファン離れは人気と仕事に大きく左右する。それが暗に恋愛禁止のルールに繋がっている。かつて、嵐のメンバーに熱愛が発覚した時は、コンサート会場で「別れろ」「もう応援しない」と抗議のプラカードがあがった。大野智はあわてて謝罪して別れる決断を発表したこともあった。

 一部の過激なファンは昔からいたが、今の子に比べたらおとなしいものだった。テレビ局の玄関に張り付き、出待ちして追っかけを繰り返す。常に同じメンバーだったこともあり、直接、高圧的に「帰れ」「いい加減にしろ」と言うアイドルもいたが、ネット時代の今はやりにくいのが現実。ファンに対して暴言を吐いたタレントの、言葉尻だけを取り上げて批判すればタレントが矢面に立たされ、世間から非難されることもありえる。

 ファンを増やし、ファンファーストでやってきたことが今の人気に繋がっている。これを無視して恋愛も自由にすれば、人気も仕事も下降するのがアイドルの宿命。ましてや、アイドル生命が長くなった時代。30歳を過ぎてもファンにとっては同じアイドルのまま。一部のファンの暴走だけを食い止める絶対的な対策などない。タレント自ら呼びかけて自重を促すしかない。それが今回の大倉の忠告になったが、果たして、どこまで効果があるのか。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

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