サイゾーpremium  > 連載  > クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング  > 【ニッポンのサラリーマン】のポテンシャル
連載
クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第57回

【クロサカタツヤ×三戸政和】『300万円で会社を買え』の著書が語るニッポンのサラリーマンのポテンシャル

+お気に入りに追加

通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

1810_P104-106_graph001_520.jpg
●M&A実施企業と非実施企業の労働生産性
出典:2018年版『中小企業白書・小規模企業白書』より

――なにかと話題の不動産投資は「サラリーマン大家」ブームが早々に過ぎ去って、次にやって来たのは何かと思えば「300万円で会社を買え」という事業投資。経済ニュースをにぎわすような巨額の買収劇じゃなくても、しっかり経営してやればちゃんと利益が出る中小企業が日本にはまだまだたくさんあるというお話。なにしろ中小企業は380万社もあるというのだから、実は隠れたお宝の山かも!?

クロサカ 今月は、4月に発売された『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(講談社)がベストセラーになった、三戸政和さんをお招きしました。同書は、サラリーマンに「中小企業の買収と経営」という事業投資を勧める内容です。

三戸 おかげさまで品川の駅ナカの書店で発売から3カ月ほど、ずっとランキング1位でした。新幹線で出張するような人が、移動中で読み終わるニーズにはまっているんでしょうね。

クロサカ 出張に行くような会社員の多くは、ある程度のポジションで可処分所得も高い。だからこそ将来への不安を抱えながらも、起業には踏み切れず副業にも違和感がある……。

三戸 私は加古川出身なんですが、今は地方に波及しているようです。新幹線や空港の書店では、たいていランキングに入ってます。

クロサカ 不動産投資にしろ事業投資にしろ万人には勧められないもの。でも、大企業のサラリーマンなら経営スキルを持っている可能性が高い。そういう方に、会社を買うことを勧める発想は、どこから出てきたんでしょうか?

三戸 そもそものきっかけというか、原体験みたいなものがあるんです。10年ほど前にシンガポールに駐在していて、現地でソニーの人たちと仲良くなったんですね。その頃のソニーは、モバイル事業をエリクソンとの合弁にしたり、テレビ事業に影が差しつつあったりと、ちょっと調子を崩しつつあった時期です。その方は私より10歳ほど年上で、ソニーが就職先として大人気だったバブル崩壊前の入社とあって、人材教育にすごいコストをかけてもらっていた。だから、「会社の調子が悪くなったなら、外に出て活躍すればいいのに」と思っていたんです。

クロサカ あー、わかります。最初の就職氷河期世代だった僕たちには考えられないほど、会社から投資してもらっていた人たちですね。僕たちにはできなかった経験をしてきて、まだ仕事もバリバリできて引退するには早いんだから、会社の外にもっと出て行っていいはず。

三戸 そうです。なんか、もったいないなと。

クロサカ かといって、いざやるのが喫茶店やラーメン店なのも違いますよね。飲食業ってそもそも難しいし、培った専門知識や職業的スキルを考えれば、もっと違う道があるはず。

三戸 そうそう。私が彼らの世代に感じるのは、人間力みたいなものなんです。言い換えるとマネジメントにあたって、余裕があるというか懐が深い。社内の会議であっても、雑談から入って空気を温めてから本題に入るような気遣いができる。私自身は金融業界にいたからというのもあって、会議でも結論から入りたがるし、仕事での対人関係もサバサバしてるんです。でも、中小企業のマネジメントには、ロジックよりも人間力が大事なんです。私が政治家をやっていたときに学んだんですが、やっぱりロジックだけで人を動かそうとするとしんどい。

クロサカ 中小企業で働いている人たちって、給料の高い・安いで働き続けているわけではなくて、人のつながりとか地域や商品への愛着といった、ロジックではない動機なんですよね。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年8月号

中韓エンタメ(禁)大全

中韓エンタメ(禁)大全
    • ブルース・リーからBTSまで【中韓エンタメ受容史】
    • 【中国ヒップホップ】の潜在能力
    • 【K-POP製作陣】が語る日本の課題
    • 【BTS】が成功して少女時代がコケた理由
    • 芸能界革命【中国アイドル】ブーム
    • 乃木坂より良い!?【Cアイドル】6選
    • 国家も支援する中国の【食動画】とは?
    • この【食動画】が見たい!セレクション
    • 【中国ファッション界】急成長とリスク
    • 【中国アート】市場の成熟度
    • 【菊地成孔】フロイディズムが息づく物語
    • 【笛木優子】韓国で女優を志すきっかけ
    • 【韓流ぴあ編集長】恥部も暗部も映像化する底力
    • 【片山慎三】今の韓国映画の原型!?60年前のサスペンス
    • 【キム・ソンフン】隠蔽された民主化の歴史を追う
    • 社会問題化する【韓国ネット民】の闇
    • 今も根強い韓国国内の【地域差別】
    • Jリーグも完敗の【中国サッカー】
    • 【朝鮮族】をつなぐサッカー文化
    • 【カンフー映画】の盛衰と進化の旅
    • 極東【バイオレンス】映画祭
    • 急速に広がる【中国SF】の世界
    • 【中国映画】1兆円市場・真の良作
    • 【2.5次元ミュージカル】13億人が熱視線

韓国人気モデル「ジェナ」日本初セクシー

韓国人気モデル「ジェナ」日本初セクシー
    • 【ジェナ】韓国の美モデル参上

NEWS SOURCE

    • レアル移籍の【久保建英】を狙う魑魅魍魎
    • 浜崎あゆみの二番煎じ!?【安斉かれん】て誰?
    • 【参院選】裏の見どころは「不正操作」?

インタビュー

    • 【井桁弘恵】令和初の仮面ライダー美少女
    • 【ゴジゲン】ずっと終わらない永遠の放課後
    • 【FNCY】ヒップホップのニュー・クラシック

連載

    • 【小倉優香】韓国の友達が多いんです。
    • 【日向カリーナ】ブラジル系モデルの古風な一面
    • 愛しさと、切なさと、【熊田曜子と】
    • スマホとSNS以降の【ネットの未来】
    • 【安藤寿康】人間は"教育"によって生かされている(前)
    • 高須基仁/【反社】との交際くらいで騒ぐな!
    • 己の殻を破る【ギャル】が祭に集う
    • 中国【ファッションアプリ】の裏事情
    • 【Lil Nas X】栄光と挫折と突然の告白
    • 町山智浩/【トム・オブ・フィンランド】ゲイ・カルチャーの革命家
    • 医師と大手メディアと【製薬会社】の利益相反
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/闇営業物語
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/『ホットギミック』"鈍い女"がモテる理由
    • LAのDJが懐古する【90年代のクラブシーン】
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【都市計画】のスペシャリストがビールで街を盛り上げる!
    • 幽霊、殺されても咎人となるニート。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』