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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第122回

『スリー・ビルボード』――3枚の立て看板と3人の愛憎が覆う予測不能な結末

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『スリー・ビルボード』

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米国ミズーリ州の片田舎エビングを走るロードサイドにポツリと並ぶ3枚の立て看板があった。ある日、その看板にメッセージが記される。娘を殺害されるも、進展しない捜査を批判する母親が広告主だった。やがて、看板を見つけた巡査、看板を作成した広告社、母親の元夫、さらには街の人々を巻き込む大事件が起こってしまう。
監督・脚本・製作:マーティン・マクドナー/主演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソンほか。2月1日全国公開。


 アメリカの道路沿いには、ドライバーに見せるためのビルボード(立て看板)が立っている。それは商品や店の広告とは限らない。例えば我が家の近所オークランドには、「賞金1000万ドル」「アヤのために正義を!」と書かれ、大学の卒業式で微笑むアジア系の青年の写真があった。

 彼は日系人のアヤ・ナカノさん(22歳)。2013年にオークランドの路上に止まった自動車の中で、死体で発見された。警察によれば、別の車とぶつかって、相手の車の運転手に射殺されたらしい。犯人の手がかりはなく、遺族が費用を負担して、目撃者を求める広告を出したのだ。

 映画『スリー・ビルボード』は、アメリカの中央部にあるミズーリ州の片田舎の道路沿いにある3枚のビルボードをめぐる物語だ。

「レイプされて殺されたのに」「まだ犯人は逮捕されない」「どうして? ウィロビー署長」

 その広告を出したのは、地元のみやげ物屋を営む女性ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。彼女の10代の娘は離婚した父親の家に歩いて行く途中で何者かに惨殺され、ガソリンをかけて焼かれた。

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