サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第118回/『デトロイト』
連載
町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第118回

『デトロイト』――50年間変わらない白人警官による黒人射殺事件

+お気に入りに追加

『デトロイト』

『デトロイト』50年間変わらない白人警官による黒人射殺事件の画像1

自動車産業として栄えた1960年代のデトロイトでは、深刻な人種問題に陥り、黒人の貧困層による不満が爆発していた。やがて、彼らの不満は暴動という形で市内に広がる。そんな中、黒人ボーカルグループが公演のため同市を訪れるも、暴動によりコンサートは中止。市内のモーテルに泊まった彼らを悲劇が襲う……。

監督/キャスリン・ビグロー、出演/ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールターほか。日本公開未定。


『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督の新作『デトロイト』は、今から50年前に起こった「アルジェ・モーテル殺人事件」の真相に迫る強烈な映画だ。

 1967年7月25日、黒人ボーカル・グループ「ドラマティックス」は、コンサートのためにデトロイトを訪れていたが、暴動により公演は中止になった。

 デトロイト暴動は死者43人、負傷者1000人を超え、州軍はおろか、戦車まで出動する事態になっていた。

 デトロイトは自動車産業の街として栄え、1960年までに人口は180万人を超えた。しかし白人たちは郊外の住宅地に一軒家を買い、市の中心部には黒人の貧困層が残った。それに対して市警察は地元の黒人を雇用せず、98%が白人だった。

 白人警官による不当逮捕や虐待が増え、黒人住民の怒りが爆発。警官への投石に始まり、白人が経営する商店への放火や略奪が広がり、警官はこれを暴力で封じようとした。死者の大半は警官に射殺された黒人だった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年2月号

日本のタブー

日本のタブー

小阪有花、危険なエロス

小阪有花、危険なエロス
    • 元祖タブーグラドル【小阪有花】

インタビュー

連載

    • 【長澤茉里奈】ストロング系なんです。
    • 【犬童美乃梨】筋トレ女子、秘密の習慣
    • いとしの【戸田恵梨香】
    • 自由な【インターネット】は終わった
    • 一茂、良純【中年ジュニア】の時代が到来
    • 知られざる【北島三郎】まつり話
    • 【スタバ】を襲う謎のコーヒー起業家
    • 【Zapp】ロボット声の魔力
    • 町山智浩『運び屋』
    • 【ゴーン前会長逮捕】から考える社会の劣化
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/憎みきれないハゲダルマ
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【ちびまる子ちゃん】がその他大勢に与えた救済
    • 【スヌープドッグ】のローライダーを塗った男
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 不死鳥のごとく蘇った【天才ブルワー】
    • 【ゲイメディア史】群雄割拠時代の幕開け
    • 幽霊、呪われた平成と世直しの幻想。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』