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連載
佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第99回

ディープラーニングで進むコンピュータの言語処理は、人間に何をもたらすか?

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』(角川EPUB選書)

フェイスブックが現在開発中の文章解析エンジンは、従来の自然言語処理とは大きく異なる手法を用いたことで、人間の発した文章に対する理解力を飛躍的に高めようとしている。「ディープテキスト」と呼ばれるこの新技術は、乱雑に散らばったインターネット上のテキストを整理して受け取り、我々の生活に変化をもたらしてくれそうだ――。

 フェイスブックが「ディープテキスト」という文章解析エンジンを開発している。これはAI(人工知能)の分野でよく知られるようになった技術「ディープラーニング(深層学習)」を活用することで、フェイスブック上で書かれたさまざまなコメントを解析し、そのコンテキスト(文脈)を理解するというものだ。1秒当たり数千件のコメントを認識可能で、しかも20以上の言語に対応するのだという。

 どのような仕組みなのだろうか。

 これにはまず、SNSのコメントなどの「文章を理解する」という意味を、いくつかの要素に分解して考える必要がある。その要素とは第一に、その文章が何について語っているのかというジャンルの分類。第二に、そこにどんな固有名詞やモノの名前が含まれているのかという情報。そして第三に、その文章がどのような文脈で語られているのか、だ。

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