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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第98回

フェイスブック・ニュースの人力介入で疑念湧くプラットフォームの中立性

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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『フェイスブック 若き天才の野望』(日経BP社)

ウェブのコンテンツやニュースの配信手段が、巨大なプラットフォームをベースにするようになって久しい。そうしたプラットフォームは、政治的にもビジネス的にもある程度中立的な立場を保つことが理想とされてきた。だが今、各社はその範疇を超えた動きを取るようになっている。現在世界最大のSNSとなったフェイスブックに関するスクープからあらわになった、危機を詳らかにしたい。

 米テックメディアのギズモードが今春、フェイスブックの元従業員の証言から「フェイスブックが、保守系メディアの配信する記事の表示をなるべく避けるよう操作していた」というスクープを放って話題になった。その翌週には英国の「ガーディアン」紙が、「フェイスブックのニュースの選択はアルゴリズムではなく、人間の編集者の手によるものだった」という続報も伝えている。

 ギズモードのスクープは、ユーザー自身が作成するタイムラインの表示を操作していたのではなく、あくまでも「流行の話題(Trending Topic)」というコーナーでの話だ。ちなみにこのコーナーは英語圏でのみ提供されており、日本語のフェイスブックには表示されていない。

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