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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第16回

「在米ITジャーナリストが語る、米国にあって日本のネットに足らないところ」

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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「国内ベンチャーキャピタルにおける投手件数・投資額推移・投資先ステージ」出典:日本ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャービジネスに関する年次報告書」↑画像をクリックすると拡大します。

――ツイッターもフェイスブックも米国生まれ。グーグルもアマゾンだってそう。気がついたら日本のインターネットは、米国生まれの企業に席巻されてしまっている。日本で起業やベンチャーが増えたといっても、米国に比べたら月とスッポンの差。そもそもネットやスマホの普及率も米国に負けている。そんなちょっと残念な国「ニッポン」と米国は、いったい何が違うのだろうか? 

クロサカ いきなりなんですけど、いま米国ではSNSってどういう位置づけなんですか?あらためて、西海岸へ引っ越してから3年が経過した松村さんに聞いてみたくて。

松村 いきなりですね(笑)。もちろん米国といってもとても広いわけですが、サンフランシスコ郊外に関していえば、SNSでは、ビジネスなどに役立てようとする姿勢を強く感じますね。例えば米国では、インスタグラム【1】がすごく人気ですが、自分が開いたお店の宣伝に活用するなど、個人が培ったコミュニケーションを仕事で活用する人が多いです。

クロサカ 日本でもなくはない話のような気もしますね。そう変わらないということ?

松村 米国では、そうしたソーシャルの活用のモデルが、インスタグラムだけでなく、いろんなところやサービスで作られているし、受け取る側もそれを自然と受け入れていて、広がりがすごいですね。それに比べると、日本はスマホとかソーシャルメディアを「遊び」以上に捉えられていないような実感があります。仕事に直接使うのは一部の人に限られているというか。

クロサカ 確かに、日本でSNSを上手く使っているのは、独立して個人で仕事をしている、つまり、僕みたいな人間ですね。僕の場合はあまり上手く使えなかった気もするけど(笑)。

松村 キンドル【2】も、最近は自費出版のプラットフォームとしても使われていますね。とりあえずキンドルで出せば、全世界で流通する。もし紙の本を出版したいなら、クラウドファンディングで出資を募るとか、キンドルの売れ行きを見て出版社が声をかけるとか。

 実は、それを真似して実践したのが夫婦で書いた『サードウェーブコーヒー読本』(エイ出版社)。最初はメルマガで、それをまとめてキンドルにして、そうしたらいくつかの出版社から声をかけてもらえて、それで追加のグラビアとインタビューを取って紙の本になりました。

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