サイゾーpremium  > 特集2  > ただのアイドルソングじゃない!【乃木坂楽曲】研究
第2特集
乃木坂46"清楚さ"の裏側【3】

乃木坂楽曲はアイドルソングではない!良質J-POPを歌うことの期待と課題

+お気に入りに追加

――最新シングルが売り上げ50万枚超で、いよいよネクストブレイクアイドルとして注目が集まる乃木坂46。カップリングがアニメやCMのタイアップ曲になることも多く、それが乃木坂楽曲と知らずとも、耳にしたことがある人も多いはず。ここでは、そんな彼女たちの楽曲について、AKB48との戦略の違いをまじめに分析してみた。

1501_にとく_09.jpg
アイドルソングが少ないためか、個性が際立つ激しいダンスよりも、全体のシンクロニシティを魅せるものが多い印象の乃木坂46の振り付け。これも、前項で述べた“私立女子高感”となっている気がするのは、担当編集だけだろうか。

 世間的にはいわゆるAKB関連のグループとして認知され、また「AKB48の公式ライバル」と銘打たれている乃木坂46だが、看板となる楽曲についてはAKBがリリースするアイドルソングの潮流とは一風変わった特色を見せている。乃木坂とのかかわりが多いアイドル誌編集者の語る、次のような言葉にそれは端的に象徴される。

「AKBの楽曲は様式ができていますよね。AKBの曲って、基本的にファンがMIXを打てるように指示されているから、いってみればMIX仕様なんです。けれども、乃木坂は(デビューシングルの)『ぐるぐるカーテン』から、フレンチポップス風のサウンドを採用するなど、差別化を図っています。楽曲については、ソニーの意向が強く主張されているのではないでしょうか」

 AKBグループのライブではMIXと呼ばれるファンのコールが馴染み深いものとなっていることもあり、楽曲が制作される時点でファンがMIXを打ちやすいようにあらかじめ対応した曲作りが行なわれることが多い。それに対して、乃木坂の楽曲は基本的にMIXを想定せず、AKB的な昨今のアイドルソングのスタンダードからは離れた、むしろ王道ポップスに近い趣を見せている。初期の「ぐるぐるカーテン」や「おいでシャンプー」などのシングルにフィル・スペクター調、あるいはフレンチポップ的な特徴が指摘されることが多かったように、当初から楽曲に関して乃木坂は独自の方針をとってきた。これは、「AKBと同じことをやっても成功しない」という秋元康や運営の方針、また乃木坂を手がけるSMEの伝統的な、音楽志向が大きく反映されたものだろう。逆に、アップテンポでAKB楽曲と親和性の高い昨年夏のシングル「ガールズルール」や今年7月リリースの「夏のFree&Easy」が発表された際には、「AKBっぽい曲」になっていることがファンの間で話題になったほど。秋元康によるAKB系でありながら、それほど曲のイメージはほかと一線が引かれている。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年11月号

Netflix(禁)ガイド

Netflix(禁)ガイド
    • SNS時代の【アメリカ】動画
    • ケガしても【拡散希望】の狂気
    • 海外ポルノ界の【全裸監督】たち
    • 本家【全裸監督】の海外での評判は?
    • 【小林直己】ネトフリで世界進出
    • 世相を反映【ディストピアSF】傑作選
    • 【A-THUG】が推すドラッグ番組
    • 下品なだけじゃない【恋愛リアリティ番組】
    • 【恋愛リアリティ番組】一挙レビュー
    • 【みうらうみ】ネトフリドラマグラビア
    • ネトフリ人気作の【エロ依存度】
    • 【人気作6作】のエロシーン検証
    • 【奈良岡にこ】再生数アップのサムネ術
    • 【スタンダップコメディ】作品のトリセツ
    • 【スタンダップコメディアン】が語るAマッソ問題
    • 【クィア・アイ】と女言葉翻訳の問題
    • 【差別語】翻訳の難しさ
    • 配信で見返す【90年代ドラマ】
    • タブーな【民法ドラマ】6選

収監直前ラッパーD.Oの告白

収監直前ラッパーD.Oの告白
    • 【ラッパーD.O】悪党の美学

NEWS SOURCE

    • 【関電スキャンダル】3つのタブー
    • 【あいちトリエンナーレ】騒動の余波
    • 【浜崎あゆみ】ドラマ化と引退疑惑の真相

インタビュー

    • 【松本妃代】──実は踊れる演技派女優
    • 【FUJI TRILL】──モッシュを起こすヒップホップDJ
    • 【Neon Nonthana & Eco Skinny】──カップルの日常ラップ

連載

    • 表紙/福井セリナ「ポッと入ったんです。」
    • 【石田桃香】紫に包まれる肢体
    • 【真帆】がいるだけで
    • 【日本】で新しいことができないワケ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(後)
    • 追悼【高須基仁】という男
    • 不要な【アレンジ】おもてなし魂
    • 【Lizzo】女性MCたちの一斉開花
    • 町山智浩/【ハスラーズ】ストリッパーの逆襲
    • 【アメリカに依存する】日本のサイバー戦争対策
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/TOKIOの晩年
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【愛がなんだ】がヒットする日本のヤバさ
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元エンジニアが作る【古代クジラ】を冠したビール
    • 更科修一郎/幽霊、TVの国でキラキラの延長戦。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』