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集団的自衛権、消費税、セクハラ野次と大新聞右往左往の"夏の陣"

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大手新聞社による覆面座談会を開催

ついに大きく舵を切った集団的自衛権の問題、10%への再値上げの可否を問われる消費税増税問題、そして長期スパンでの対応が問われる福島第一原発問題を抱えた中での原発再稼働問題などなど、課題が山積する安倍政権と、その報道のウラ側を、大手メディアの記者たちがこっそりとご開陳します!

【座談会参加者】
A:全国紙経済部デスク
B:経済誌中堅記者
C:全国紙社会部若手記者
D:全国紙政治部中堅記者

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『日本人のための「集団的自衛権」入門』(新潮社)

A 政権発足から1年半が過ぎたけど、安倍政権は相変わらずイケイケドンドンだな。7月1日には集団的自衛権の行使を容認するために憲法解釈を変える閣議決定を行った。これだけ逆風が吹く中でこんな決定をすれば、これまでの内閣ならそれだけで吹っ飛んでいただろうな。

B 集団的自衛権の問題では、世論の反発に加え、当初は連立政権を組む公明党の抵抗感も強かったですが、結局はスピード決着という感じでした。マスコミ報道では、読売や産経、日経などの「賛成派」と、朝日や毎日、東京などの「反対派」でスタンスがはっきりと分かれましたね。

A 閣議決定翌日の7月2日付朝刊では、「戦争の歯止めあいまい」(東京)や「『積極的平和』へ大転換」(産経)と、賛成派と反対派でまったく異なる大見出しが躍った。

C「読売・産経・日経」対「朝日・毎日・東京」という両陣営で論調が割れるのは、原発問題でも靖国参拝問題でも、最近ではお馴染みの図式(笑)。それにしても集団的自衛権問題では、賛成派と反対派で世論調査の結果【1】が正反対になるなど、報道内容が社論に引きずられすぎているように感じました。例えば「反対派」の毎日新聞が6月下旬に行った調査では「反対」が58%だったのに対し、同時期の産経とFNNの合同調査では「容認」が63%という結果だった。

D まあ、質問の設定によって世論調査の結果はある程度作ることができるから、驚くことではないな。例えば毎日の調査ではストレートに「集団的自衛権の行使に賛成か反対か」という二者択一の質問なのに対し、産経・FNNの調査では「全面的に使えるようにすべき」「必要最小限度で使えるようにすべき」「使えるようにすべきでない」という3択で、前者2つの回答をまとめて「容認」としていた。設問がこれだけ違っては、世論の実態は比べようがないよ。

MEMO『大新聞』
全国紙として知られる読売、朝日、日経、毎日、産経の5大新聞のこと。しかし、販売部数335万の毎日、同161万の産経(共に朝刊)は、すでにブロック紙にすぎないという指摘も……。

B それにしても安倍政権は今後も難題が山積みですね。中でも、消費税率10%引き上げ可否の判断を年末までに下さないといけない。今年4月の8%への引き上げはなんとかうまくいったけど、10%へのさらなる引き上げでは、日本経済が相当なダメージを受けるとの懸念もある。

D いま永田町では、「安倍首相が10%引き上げに消極的になっている」との噂が出回っている。特定秘密保護法、集団的自衛権、原発再稼働と国民の不人気施策を相次いで打ち出していて、さらに消費税率再引き上げも決めれば、支持率がいよいよ危険水域に、という危機感があるようだ。そもそも安倍首相は、「経済政策はブレーンに任せる」というスタンスで、そんなことよりも支持率低下で憲法改正などの“ライフワーク”が滞ることのほうを恐れているはず。

B 安倍首相が消費税率引き上げに消極的だという噂は、霞が関でも耳にします。原発の稼働停止で赤字続きの大手電力各社が電気料金の再値上げを画策しているんですが、以前は「景気への悪影響が大きいので値上げは認めない」とかたくなだった経産省が、最近では「値上げもやむなし」とスタンスを変えてきている。これは、10%引き上げ中止の可能性を見据え、代わりに電気料金値上げ【2】の余地が生まれるのでは、と経産官僚が腹積もりしているんだよ。

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