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麻生泰「カツラ業界裏奇譚」第5回

コンプレックス商品は"札束風呂"や"エセ宗教"と同じ。発毛グッズに騙されるな!

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AGAスキンクリニックを開業し、日夜、育毛治療に取り組む麻生泰氏。かつて自らも着用していたカツラの実害や怪しいビジネスについて、正論・異論・暴論を呈す!

今月の格言

コンプレックス商品は“札束風呂”や“エセ宗教”と同じ。発毛グッズに騙されるな!

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『間違いだらけの薄毛対策』(幻冬舎)

 これはカツラ以前のお話かもしれませんが、薄毛が気になり始めた段階で、まず多くの人が飛びつくのが「○○を食べると髪が生える(濃くなる)らしい」といった、“民間療法”的なウワサです。

「ワカメをはじめとする海藻類がいいらしい」と聞けば毎日のように海藻サラダを食べ、「植物性たんぱく質が大事らしいから、大豆食品をたくさん食べるのがいい」と言われればご飯の代わりに冷奴、「イソフラボンとカプサイシンの相乗効果で発毛が期待できる」と話題になればエチケットも顧みず朝からキムチ納豆を食べる──これが、藁にもすがる同志=ハゲの一般的な姿と言えましょう。こうした苦労を知っているから、街中で同じようにカツラをかぶっている人に遭遇すると、短いアイコンタクトの中で、「あなたもでしたか」と慰め合うのです。

 もちろん、僕自身も「髪が生えるらしい」と聞くと片っ端から試し、そのたびに効果が出ないことに落胆したものです。特定の食品を食べ続けるだけで頭髪が戻ってくるなら、こんなに楽なことはない。しかし、現実は非情で、そんなにうまい話はありません。医者になった今だから言えることですが、日常生活において、「バランスのいい食事と適度な運動」に勝る薄毛対策はなく、ストレスになりかねない極端なことはしないのが吉です。

 ただ、食事については基本的に健康にいいものを食べるよう勧める情報が多いため、プラシーボ効果も期待しつつ、少し意識してみるのもいいでしょう。注意すべきは、「発毛を促進する」という触れ込みで多数売られている、怪しげな発毛促進剤や器具です。

 インターネットで検索すればすぐわかりますが、頭皮がスーッとするだけのスプレーがバカ売れしていたり、「特殊なライトを当てることで発毛を促す」など、ヘルメットやパーマ機のような器具の効果がまことしやかに語られていたりと、まさにやりたい放題という状況。悩む人は万にひとつの可能性に期待して飛びつきますから、いい商売になるということでしょう。

 しかも、コンプレックスを持つ人は、周囲に過剰に気を使う人が多いため、得てして「自分には効かなかったんだ」──もっと言えば、「自分が悪いんだ」とさえ考えて、クレームのひとつも出さずに泣き寝入ってしまう。例えば、僕らの業界では、ワキガの手術も行っていますが、こんな世知辛い世の中で、周囲の迷惑を鑑みて自分のにおいを気にして病院に来るなんて、いい人に決まっているでしょう。ワキガの遺伝子と、いい人の遺伝子は、近いところにあるんじゃないかと思うくらいです(笑)。

 人の弱みに付け込んで、効果など期待できない商品を売りつける。これは「病気が治る」とうそぶいて、高いお布施を求める悪質なエセ宗教団体と同じです。冷静に考えてみてください。実家に帰ったら、めっきり頭の薄くなった親父がおかしなヘルメットをかぶって居間にいる──こんな珍妙な光景はないでしょう。

 よく、イケていない男が、札束で満たされた風呂に入り、両脇に美女をはべらせてご満悦、という雑誌広告がありますが、そういう怪しいグッズと変わらない。“札束風呂”は多くの人が笑いのネタにしているのに、自分のコンプレックスにピンポイントでアプローチしてくる商品だと、目が曇って信じてしまうのです。

 ここだけの話、僕のクリニックにも、「この商品、置いてくれませんか?」と怪しい売り込みが来ることがあります。きちんとした治療で結果を出しつつ、「さらに効果を上げるために」とオプションとしてメニューに組み込めば、儲かるに決まっている。でも、儲けのために患者さんを騙し、犠牲にするなんて、何のために医者になったのかわからない。僕は「扱うことはできません……」と、丁重にお断りすることにしています。

 怪しいグッズを買い、カツラに手を出して、お金も頭髪も失う……それでは悲しすぎる。あらためて、薄毛に悩む方は甘い話に惑わされず、早期にきちんとしたクリニックで診察・治療を行うことをお勧めします。


(構成/橋川良寛 bluepoint)

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麻生 泰(あそう・とおる)
1972年、奈良県出身。AGAスキンクリニック総括診療部長。東京美容外科統括院長。大阪医科大学形成外科にて研修医終了。大手美容外科で院長、診療部長を歴任後、東京美容外科を設立。また、AGAスキンクリニックの設立にもかかわり、統括診療部長を兼任する。自身の薄毛に悩み、治療方法を模索・研究し、現在の治療法を確立した。

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AGAスキンクリニック
薄毛で悩んだ麻生医師が、自ら開発し効果を実感した発毛治療を受けることができる院は、全国のAGAスキンクリニックをはじめ、東京美容外科メンズ専科、東京ビューティークリニックなど、全国26院(2013年12月現在)。さらに今後も拡大予定。
ご予約・ご相談はTEL:0120-2323-48
URL〈http://www.aganavi.jp/

AGAとは?
Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のこと。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられている。現在、全国で1260万人ほどいて、そのうち気にかけている人は800万人、何らかのケアを行ったことのある人は650万人だという。

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