サイゾーpremium  > 連載  > 彼女の耳の穴  > 【小島慶子】シンガポールで中島みゆきを熱唱していました。

──耳は口ほどにモノを言う。教えて、あなたの好きな音!

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(写真/三浦太輔 go relax E more)

Touching song

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中島みゆき
『この空を飛べたら』
1979年に発表された中島みゆきの6thアルバム『おかえりなさい』に収録されている1曲。もともとは78年に加藤登紀子に提供された曲で、戻らない人を思う気持ちを歌っている。


 この間、11歳になった息子にiPodをプレゼントしたんですね。私が好きだからその影響だと思うんですけど、彼のまっさらなiPodにはさっそくRHYMESTERの音楽がダウンロードされまして。息子は「余計なお世話だバカヤロウ」という曲が大好きらしく、その曲のサビで「余計なお世話だバカヤロウ!」と熱唱しております(笑)。

 私自身の子どもの頃は、ちょっと変わっていたかもしれません。まだ7歳の頃。中島みゆきさんの『おかえりなさい』というアルバムが大好きでした。自宅のひんやりとしたタイルの床にペタッと座りながら、昔ながらのごついラジカセで何度も何度も繰り返し聞いていて。当時の私は、父親の仕事の都合でシンガポールに住んでいたんですけど、スクールバスの中でいじめられたりして「日本に帰りたい!」と毎日毎日思っていて。日本のメディアにも飢えていました。ちょうどそんな時期に、日本に残った9歳年上の姉がお土産としてシンガポールに持ってきてくれたのが、そのテープだったんです。特に、「この空を飛べたら」という曲が好きでした。「空を飛ぼうだなんて/悲しい話を/いつまで考えているのさ」なんて、およそ子どもには似つかわしくない切ない歌を聞きながら「日本まで飛んで帰りたいなぁ」って。読めない漢字もいっぱいあったけど、歌詞カードを読みながら聞いていたので、『おかえりなさい』に収録されていた曲は全部歌えるという、シブい7歳児でした(笑)。

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