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【premium限定連載】出版界 ホンネとウソとウラ話 第4裏話

ポプラ社の社長が突然の辞任!"ズッコケ三人組"立役者にまとわりつく黒い噂

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 ポプラ社の皇帝・坂井宏先社長(67歳)が2013年11月25日付で退任、12月3日に開いた臨時の株主総会で奥村傳前専務が社長に就任し、坂井氏は非常勤顧問に就任した――。マスコミ各社には「本業以外の投資損失を回復し責任を果たした、および本人の体調不良によるもの」と交代の理由を説明している。

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『ズッコケ中年三人組age48』(ポプラ社)

 この社長交代劇はあまりに突然だった。ポプラ社の決算は3月期、通常であれば6月末までに開く通常の株主総会で社長交代を決めるのが一般的だ。まして坂井氏は「65歳になったら社長を辞める」などと周囲に漏らしながらも、その玉座に座り続けた人物。そんな彼が突然自ら辞めるなんてにわかに信じがたい。出版業界では「何かしらの不祥事があったに違いない」、そんな噂で持ちきりだった。

 ちなみに、ポプラ社といえば、那須正幹さんの『ズッコケ三人組』シリーズや原ゆたかさんの『かいけつゾロリ』シリーズで知られる児童書が有名な出版社。近年は、ミリオンセラーとなった『グッドラック』(04年刊)やベストセラーの『えんぴつで奥の細道』(06年刊)など、一般書分野にも事業を拡大。さらに当時、タカラの系列会社だった出版社・ジャイブを買収するなど、総合出版社化を進めていた。

 その原動力となったのが、1998年に社長に就任した件の坂井氏なのである。

 坂井氏は、社長就任前は、『ズッコケ三人組』シリーズを担当するなど、名うての編集者として知られていた。しかも、入社後に「俺は社長になる」と同僚に話し、同族支配であったポプラ社の経営方針を批判して、当時の経営者から冷や飯を食わされたこともあったというほど、良くも悪くも苛烈な人物なのである。そんな坂井氏だが社長に就任してからは、横暴とも取れるほどの厳しい経営体制を敷いていたようだ。以下は、同社の社員や元社員などの声。

「(坂井氏が)社長に就任してから会社は北朝鮮化した。社員は毎日、坂井氏が出社する午前8時よりも前に出勤することが暗黙の了解となっていた」「書店訪問で自社本の陳列が気に食わないと書店員まで叱りつける始末」「社長の機嫌を損ねてはいけない、逆らってはいけない――そんなイエスマンばかりの会社になっていた」

 ある意味、順風満帆。坂井氏の社長人生の前半はそうだったのだろう。しかし、そうした状態も前述の交代理由でも触れられていた06~07年頃の投資の失敗で、陰りがさす。一説によると、これらはFXによるもので、数億円もの損失を被ったともいわれている。ポプラ社の売上高は平成24年3月期で94億円、利益は6億円程度。数億円という特別損失はこの規模の会社には相当重い負担であったに違いない。ある関係者はとんでもない話を口にした。

「坂井氏の判断による投資だったが、その失敗を部下にすべて押し付けて会社を解雇したようだ」

 半沢直樹じゃないが、「上司の失敗は部下の責任」というところか。

 その後、坂井氏は、これらの損失補てんのために一つの方策を考えた。それがホールディングカンパニーを設立して上場し、その上場益で損失を補おうというものだ。07年4月にポプラ社などを子会社とするポプラホールディングスが発足した。しかし、20億円もの特別損失を抱えたままの会社がそう簡単に上場できるはずもない。結局、10年にポプラホールディングスが子会社5社を吸収合併して、ポプラ社(新社)となり、元の鞘に収まった。

 では、どのように損失を補てんしていたのだろうか? 07年10月に突如、ポプラ社の役員にA氏という名前が出てくる。A氏は07年にポプラホールディングスの顧問に就任、09年10月にはポプラ社の取締役会長、10年4月にはポプラ社(新社)の取締役会長、その後同年11月に退任した。ちょうど3年間、役員として名を連ねていた。この人物こそ、「週刊新潮」(2010年9月9日号)が「きかんしゃトーマス『ポプラ社』に暴力団フロントが寄生した」と書きたてた記事の主役とみられている。A氏は馬主として著名な人ではあるが、反社会的勢力との繋がりも指摘されている。「貧すれば鈍する」の言葉通り、坂井氏はここから融資を受けていたようだ。ほかにも取引先のU社などから多額の融資を受けていたとも言われている。

 苦しい台所事情に反社会的勢力との関わり、そこである事件が起きた。10年に一大ベストセラーとなった水嶋ヒロ著『KAGEROU』の八百長疑惑である。ポプラ社小説大賞に応募してきた無名の新人作家が実は水嶋ヒロだった――という、今から考えればどうにもきな臭い話。ネットや週刊誌でもかなり叩かれた有名な話だが、筆者も「水嶋ヒロの代理人という人物から、小説の出版話を持ちかけられた」という別の出版社から話を聞いたことがあり、当時の業界でもこのうわさでもちきりだった。しかし、ここで言いたいのは、こんなすぐばれるような八百長まがいのことをしなければいけないほど、同社は疲弊しきっていたことだろう。坂井氏の肝いりだったこの件を、誰も止められなかったのだから。件のA氏は、この問題が週刊誌やネットで騒がれたこの時期にポプラ社の役員を辞めた。

 そんな皇帝の最後は儚かった。暴力団への融資で問題となったみずほ銀行グループに金融庁監査が入ったが、その取引先であるポプラ社においても1億円以上の使途不明金が発覚したというのだ。その私的流用の責任をとって辞任したというのが、社長交代劇の真相のようだ。

 ポプラ社が今回の件で、横領・背任の罪で坂井氏を刑事告発せずに、非常勤顧問として置いたのも、坂井氏が弁済することを約束したのだと推測できる。さらに児童書出版社という会社のブランドに傷を付けることを恐れたのかもしれない。

 新経営陣の苦渋の決断も分かるが、ここですべての疑惑を払しょくすることこそ、皇帝支配から脱却した本当の意味での再出発となるのではないか。

(文/佐伯雄大)

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