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【DARTHREIDER】高校生RAP選手権レフェリーが語るU-20ラッパーの軌跡

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──〈高校生RAP選手権〉でレフェリーを務めるラッパーのDARTHREIDER。2000年代半ばから若いラッパーたちをサポートしてきたこの男によって、"高校生ラップ"が注目されるように!?

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ジャケ写は最新作の『SUPER DEAD』(Da.Me.Records)と、HIDADDYと共に監修を務めた『HIGH SCHOOL HIGH』(ウルトラ・ヴァイヴ)。

 僕が若いラッパーとかかわるようになったのは、Da.Me.Recordsという自主レーベルを始めた2004年頃。当時、一日中フリースタイルをしてる20~22歳くらいの連中の初作品を出してあげていたんですけど、ラッパーの年齢がどんどん若くなり、08年頃に博多でPOCKYという17歳のラッパーからデモを渡されました。そのクオリティが高かったので、09年に彼のアルバムを出しましたね。

 同じ時期、日本で一番のヒップホップのお祭りであるBBOY PARK(以下、BBP)が求心力を失っていましたが、会場は昼間の代々木公園でIDチェックもないし【註:深夜営業のクラブでは18歳未満を入場させないために通常IDチェックが求められる】、POCKYと同年代のラッパーがいっぱいいるのを知っていたので、08年に運営に参加した僕はU-20のMCバトルを企画したんです。実際、50人以上のエントリーがあり、KOPERUという17歳の大阪のラッパーが優勝しました。

 BBPのMCバトル自体は99年から始まり、それで3連覇したKREVAは全国的な人気者になりましたが、KOPERUもU-20で3連覇すればヒーローになれるんじゃないかと。でも翌年、僕が脳梗塞で倒れてしまいました……。

 それから自分の治療に専念するなか、11年に『BAZOOKA!!!』というBSスカパー!の番組が始まり、放送作家の堀雅人さんから連絡があったんです。〈高校生RAP選手権〉という企画を思いついたけど、実現可能か相談したいと。POCKYやKOPERUが17歳のときにあれだけ高校生ラッパーがいたので、絶対にやりましょうと彼に話しました。

 選手権の形式も決まっていなかったけど、高校生が即興でラップするのはできなくても絵になると思い、フリースタイルのバトルがいいと伝えましたね。その後、第1回の準備が始まり、番組側も高校生を探し、若いヤツらの溜まり場になっている一二三屋というヒップホップのショップを大阪でやっているラッパーのHIDADDYや僕も出場者を紹介したりしました。

 公開収録だった第3回は事前にオーディションをやったところ、たくさんの応募がありましたね。その中で16歳の北海道のラッパーHIYADAMが優勝しましたが、彼の36歳の母親は90年代にハードコア日本語ラップのイベントに通っていたような人。つまり、小さな頃から親を通してヒップホップに慣れ親しんでいたんです。ああいう純粋培養されたラッパーは、今後も増えていくでしょうね。

 ただ、〈高校生RAP選手権〉はテレビ番組の企画である以上、永遠には続かない。でも、「高校生ラップ」という表現が忘れ去られるのはもったいないから、第1・2回の出場者を中心としたコンピレーション『HIGH SCHOOL HIGH』を8月に出しました。フリースタイル・バトルで優勝しても、全然音源を出せずにキャリアが下降線をたどる例を過去に多く見てきたこともあり、早いうちに彼らの音源をサポートしたいと思ったんです。

 ところで、9月にある第4回大会では、第1回で優勝しながら“諸事情”で第2回以降は不参加だったK-九が再挑戦。彼のギャング時代の仲間で、全身にタトゥーが入った72という高校生もエントリーしています。そいつの高音チンピラ・ラップというべきスタイルはマジで必見!

(構成/中矢俊一郎)

DARTHREIDER(ダースレイダー)
1977年、パリ生まれ。ロンドンで少年時代をすごし、東京大学文学部を中退したヒップホップMC。Da.Me.Records社長。

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