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【Premium限定】「サ上とロ吉ミーツaiiグッドみんな」発売記念特別インタビュー

松坂時代に横浜高校の応援団長ラッパーサイプレス上野が甲子園のサイン盗み批判に喝ッ!

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『サ上とロ吉ミーツallグッドみんな』(SPACE SHOWER MUSIC)

――地方アイドルグループNegiccoのアルバムに収録された楽曲「ナタ―シア」に、HIP HOPからサイプレス上野とロベルト吉野(サ上とロ吉)が参加しているかと思えば、B-BOY PARKというHIP HOPイベントに、アイドルグループLinQの深瀬智聖がDJ CHISEIとして参加した。

 DJ CHISEI のB-BOY PARK 登場は、2つのジャンルをまたいで賛否両論を巻き起こしたが、POPな歌とHIP HOPのラップで構成された「Grateful Days / Dragon Ash」が一世を風靡したように、アイドルとHIP HOPの融合もありえるのだろうか? Negiccoの楽曲、そしてB-BOY PARK、両方に関わったサ上とロ吉に話を訊いた。

――HIP HOPの真夏の祭典、B-BOY PARKに、アイドルグループのLinQのDJ CHISEIが参加しました。アンダーグラウンドから勝ち上がってきたDJである吉野さんは、どのように感じましたか?

ロ吉 僕は最高だと思いました。アイドルって日本の文化だから。ただ、ツイッターには批判的な意見が多くて、「アイドルがB-BOY PARKに出るなんて終わりだな」って書いてあった。けど、出すって決めたのはB-BOY PARKの運営側なんだから、出演者を押してあげないと、逆にB-BOY PARKがアイドルにのまれていることになっちゃうって思うんですよね。(筆者注:運営側の中にも、LinQのメンバーが出演することに好意的ではない発言があった)

――のまれる、つまりB-BOY PARK側が主体ではなく、アイドル側が主体になってしまう、と。ましてや、B-BOY PARK側は出すと決めたのだから、任命責任もあります。スポーツでいえば、球団は選んだ監督や選手を、メディアやファンなどの第三者の批判から守るのが普通です。一方で、世に女の子のDJは多くいるわけで、そういった女の子たちを、アイドルだからという理由で押しのけて出演できるという側面もあります。もちろん、「アイドルという才能がある」という見方もできますし、「アイドルだから優遇されてんじゃん」という否定的な見方もできます。

ロ吉 けどね、彼女と話てみると、すげぇHIP HOPについて詳しいっすよ。それも“アイドルの割に詳しい”ってレベルじゃなくて、一般的に言っても詳しいほうだと思いました。

サ上 もちろん、DJとしての経験はまだ少ないみたいなんだけど。ただ、それを踏まえて運営側が出すって決めたわけですよね?それとも一波乱あるってのは運営側は知らなくて出てたの?そんなイベントあるのか(笑)だとしたら普通の女の子DJが参加する事ですら斜めから見られるのにかわいそう過ぎるでしょ……。

 俺は、今後のHIP HOPは、アイドルや別の文化とも組んで上手くやった方がいいと思ってます。だって、HIP HOPそのものも、四つ打ちが増えたり、シンセ使ったり、変化しているわけでしょ。何でもありじゃん、今。

――それが、まさにNegiccoとの曲ですね。

サ上 でも、あの曲は全部任せてくれたので、楽しく出来ましたね。ラップも俺の方が多いし。あと、アイドルとやるからって安直に四つ打ちラップなんて作らないから。細部までこだわりました。そこを聞いて欲しいんですけどね。

――上野さんは、アイドルとラップに親和性はあると思いますか?

サ上 あると思いますよ。サビをやって貰ったりできるし、それにアイドルもラップが上手くなってきている。俺は、今のアイドルファンと日本語ラップファンって意外に音楽の好みが近いんじゃないかなって思いますね。90年代の日本語ラップファンは、マジでアウトサイダーみたいな「J-POPなんか聞けねぇ」みたいなヤツばっかりだった。本当は、J-POPだって聞いてカラオケも行ってたくせに(笑)でも、そんなこと言えない雰囲気だったでしょ。

 だけど、今はその事実を隠さなくていい。アイドルが好きで、日本語ラップも好きでもいいっていう人が増えてると思います。俺がNegiccoのワンマンライブに出ても、そこのお客さんが俺のラップを覚えているし、物販では、サ上とロ吉のグッズも滅茶苦茶売れて(笑)。クラブなんか物販コーナーに遠慮なく酒置いたりするし、全く売れないから。「これちょうだい!」「何言ってんだよブス」「はあ?」「お前だよ!」「死ね!」「いづれ死ぬよ!」の繰り返し(笑)

 話はちょっと違うけど、雑誌でも昔のファンはファッション誌も音楽雑誌も両方を合わせて追求していたヤツが多かった。ブラック・ミュージックを聞いてる奴は、HIPHOP系のファッション誌というふうにね。だけど、今はどっちかしか追ってないから、それらが融合してないんじゃないかな。だから、HIP HOP的なファッションを追求しているヤツが、HIP HOPを聞いているとは限らないんですよ。

――確かに。昔は、好きなアーティストが出来たら、その人が何を着ているかまで追いましたね。今は、そういったルーツというか、ストーリーを追うような文化がなくなったということでしょうか。そう言われると、今のKREVAさんファンからすれば、by phar the dopest(KREVAが、KICK THE CAN CREW以前に組んでいたユニット)時代の話やB-BOY PARKでのMCバトルで三連覇を成し遂げた、という話はどうでもよくて、今のKREVAさんとその楽曲が分かればいいのかもしれないですね。

サ上 今ラッパーは、デビュー時に“0の状態”、つまり過去のストーリーなんて無い方がいいんだと思いますね。その方がファンも作品に入りやすい。で、後に、「実はこんな過去があった」みたいに、その苦労話が出てくるのも格好いいじゃないっすか。

――HIP HOPのアーティストは、むしろ、下から積み上げて、勝ち上がらないと、コミュニティーに認められない。世に出た時にはすでに、それぞれのアーティストが、浪花節な苦労話を背負っていないといけない状況がある。例えば、どこそこのクルーの一員で、どう成り上がってきたか、みたいなストーリーありきだった、と。

サ上 いやー俺はナードだの文系代表に見られますけど、若い時に仲良かった先輩たちはケンカ強い系や体育会系だったから、事あるごとに“気合い”を入れられまくって(笑)。「これもラッパーになるためには必要なんだ」とか思って耐えてたけど、今の若手は、あの人にあいさついかなきゃとか一切ないっすからね。軽く「ちぃっす」とか言って楽屋に入ってきて、「あれ、君がいま、うわさのあのラッパー?」とか聞くと、「そうっすけど」「あっ、いつも観てます」とかいう感じですよ。昔だったら、先輩にきっちりとしたあいさつにいかなかったら、マジで目ぇつけられてた。先輩へのあいさつの方がライブの時間より長ぇじゃねぇか? みたいな感じでした(笑)。所謂文系にカテゴライズされていた先輩方と出会うのが遅過ぎた!(笑)

――ところで、業界の中でそういった“気合い”を入れてくる先輩から逃げなかったのは、高校野球の名門・横浜高校で応援指導部部長(いわゆる応援団長)を務めた経験が生きた部分もありますか?

サ上 そうっすね。マジで応援指導部はきつかったから。部内だけでなく、野球部の先輩にも、死ぬ程 “気合い”を入れられました。あとは、団長って、スタジアムを“捌く”感じなんですよ。MCもある意味“捌く”から、そこは似ているかな。

――僕らが見る応援団の世界って、テレビで映る世界しかない。甲子園でも、一人の応援団長とまとまった生徒たちという美しさの部分がクローズアップされています。だけど、実際は、もっと大変なこともありますよね?

サ上 俺たちの時は、とにかくスタジアム全体を巻き込まなきゃ、怒られましたね。俺は団長だったんで、全体をまとめないといけない。酒飲んでるオッサンから、俺ら応援団や野球部以外の生徒、OBとか、一般客で応援に参加する気がないような人たちも。

――そんなことやっていたのですね。その応援団の活動のなかに、夏の甲子園での優勝があると思います。横浜高校といえば、アメリカ大リーグ、ニューヨーク・メッツの松坂大輔選手がいますが、同級生ですよね?

サ上 はい。といっても卒業して何年かした以降はずっと会っていなかったので、スペースシャワーの自分の番組で“Road to 松坂”みたいな企画をやって、ツイッターで連絡をとったんですよ。そしてら、覚えてくれていて、「“サイプレス”ってなに?」って(笑)。いまも密には連絡を取れてないけど、アルバムを出たら、ツイッターでDMくれたりはしますね。「『BUMP』で上がっている」とか。是非入場曲で使って欲しいんですけどね(笑)。

――そんな松坂選手ですが、近年成績が芳しくありません。元応援団長として何かエールでも?

サ上 体デカいかな?とは素人目に思いますね(笑)野球選手は、確かに体をデカくしないといけないんだけど、元々体がデカかったんですよ。高校時代は学年上がるにつれて絞ってたから。もちろん、肘の故障てはデカイとは思いますが、来年NYに行って応援したいので頑張ってもらいたいです。

――今年の甲子園で話題になった“サイン盗み”“カット打法”はどう思いました?

サ上 当時は、“サイン盗み”は、どこの学校でもやっていたけど、今回は、露骨だったから言われたんでしょうね。俺は全然いいと思うけど。だって、じゃあ、なんでブロックサインがあるんだよっていう話じゃないですか。“カット打法”も、敬遠みたいなもんで、敬遠は勝負していないって俺らは思っても、敬遠したほうは、あれが勝負なわけで。高校生のスポーツだから健全にやって欲しいのはわかりますけど。それよりも、決勝の9回裏で一点差で負けててノーアウト一塁二塁で延岡学園が、なぜ送りバントをしなかったのかということのほうが未だに気になってます(笑)。ワンアウトになったら、ゲッツーになりやすい。野球のセオリー無視じゃないっすか。それも健全に正々堂々と勝負させるってことなのかな。

(文=石井紘人[@FBRJ_JP])

サイプレス上野とロベルト吉野(さいぷれすうえの・と・ろべるとよしの)
サイプレス上野とロベルト吉野が、2000年に結成したヒップホップグループ。通称“サ上とロ吉”。グループ のコンセプトは「HIPHOPミーツallグッド何か」で、"決してHIPHOPを薄めないエンターテイメント"と称されるライブパフォーマンスを武器に、毎年120本近くのライブを行っている。サ上氏は、DJレジェンド・オブ・伝説としても活動中。

 FM YOKOHAMA『YOKOHAMA RADIO APARTMENT』水曜日メインパーソナリティのレギュラー担当、ヒップホップ専門 USTREAM 番組 Amebreak presents 「RAP STREAM」のメインパーソナリティ。またbounce.comでの連載「サイプレス上野 の LEGEND オブ日本語ラップ伝説」が、書籍化している。
PC<http://www.sauetoroyoshi.com/
MOBILE<http://mfmobile.jp/sr/
SMART PHONE<http://sp.mfmobile.jp/sr/

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『サ上とロ吉ミーツallグッドみんな』(SPACE SHOWER MUSIC)

「サイプレス上野とロベルト吉野 ミーツ all グッド みんな」
レペゼン『“184(いやよ)045 (045は横浜の市外局番=エリアコード)”』、サイプレス上野とロベルト吉野が、これまでこなしてきた数々の客演が一枚のコラボレーション・アルバムとしてドロップ! その客演相手が実に多彩。まずは、KREVAやDABO、DJ CELORYなどのHIPHOP系アーティストから、フラワーカンパニーズ、SPECIAL OTHERS、在日ファンクなどのバンドスタイルの面々。そして地方アイドルNegiccoまで、と幅広いアーティストたちとコラボレーションしていることがわかる。サ上とロ吉のサイドストーリーがわかる一枚だ。なお、特設サイトにはサ上手書きの、客演者相関図&メッセージ付き!!!
特設サイト<http://1fct.net/sp/all_good/

発売: Felicity/価格:定価2100円 (税込み)/発売中


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