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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【8】

弁護士増員計画の頓挫と総会屋排斥との“共通点”

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の”意図”──。

今月のニュース

「司法改革の軌道修正」
2006年度から始まった新司法試験の合格者数が年間約2000人と低迷していることを受け、13年3月、政府の法曹養成制度検討会議は、年間3000人程度を目標とした02年の政府計画の撤回を公表。教育成果の低い法科大学院の統廃合や補助金カットを進める方針を打ち出した。99年にスタートした司法制度改革は大きな転換点を迎えた。

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『司法改革の失敗』(花伝社)

 2013年3月、政府の法曹養成制度検討会議が、司法試験合格者数の低迷を受けて、合格者数を年間3000人程度まで増やすという政府計画の撤回を公表した、というニュースを新聞各紙が報じました。99年に始まった司法制度改革。当初、弁護士の増員を目的として新たに設置された法科大学院には学生が殺到し、第1回目の新司法試験(06年度)では過去最高の志願者数を記録するなど、そのスタートは実に華々しいものでした。

 それから10年あまり。01年に1万8243人だった弁護士の数は、12年までに3万2088人にまで急増しました。その一方で、弁護士の仕事は想定ほど増えずにパイの奪い合いとなり、就職できない新人弁護士の一部は低収入にあえいでいます。

 そもそも司法制度改革は、90年代後半の橋本政権による行政改革、すなわち規制緩和・自由競争を促進する流れの中で始まったもので、「行政による事前指導型社会から、司法による事後解決型社会へ」というスローガンのもと、従来の日本型社会からアメリカ型社会へ移行するための政策です。いうなれば我々は、その壮大な計画が軌道修正を余儀なくされた瞬間を目の当たりにしたわけです。

 ところで、そうした司法制度改革の一方で実施された、経済界における大きな改革のひとつに、81年と97年の2度の商法改正があります。その主目的は、総会屋の活動を厳しく制限すること。これにより、70年代後半の最盛期には8000人以上いたと推定される総会屋は、ほぼ完全に駆逐されました。

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