サイゾーpremium  > 特集2  > 辛口書評家・豊﨑由美が語る「文学賞は、バ...
第2特集
老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【5】

辛口書評家・豊﨑由美が語る「文学賞は、バカを書店に連れてくるためにある!」

+お気に入りに追加
1103_2toku_toyozakiyumi.jpg
豊﨑由美氏と大森望氏の共著『文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編』。

──これまで文学作品や小説家に辛口の苦言を呈し、『文学賞メッタ斬り!』(大森望と共著/新潮文庫)では、文学賞の意義について問うてきた文芸書評家の豊﨑由美氏。そんな豊﨑氏は、本屋が選ぶ文学賞、「本屋大賞」をどう見てるのか?

 本屋大賞の受賞作がなぜ売れるのか? その答えは割と簡単です。まずひとつは、本を売る現場の人たちの賞だからということ。売り方に熱が入って当然でしょ。もうひとつは、消費者の書店員への信頼感。一般の人って「書店員は、たくさん本を読んでいるはず」という思い込みがあるんですよ。ここ10年くらいの流行として、書店員の推薦文が帯に使われるケースが増えていますよね? これは、名前も知らない書評家より、身近な書店員の言葉のほうが信頼できるという、いわばクチコミ効果の延長線上のようなもの。本屋大賞はそれが一番機能している賞ともいえます。

 そしてもうひとつ、まったく売れそうにない本は受賞しない、というのは大きい。意地悪な人は「最初から売れていた本を、さらに売ってどうするの?」なんて言いますけど、そんな批判は的外れ。だって5万部の本を10万部にするってすごく大変なことなんですから。でも本屋大賞を獲れば、そういう桁の違う売れ方が可能になる。当たり前のことですけど、書店も商売なわけですよ。初版3000部の純文学が本屋大賞を獲って3万部になったくらいじゃ、書店は潤いませんからね。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2026年11月号

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界
    • 「沼化」するエンタメ業界
    • 膨らみ続けるグラビア市場
    • SNSがつくる「あなたの好み」
    • 映画界ハラスメントの実態
    • ゲーム実況者の高齢化問題
    • PS、ディスク販売廃止の衝撃
    • 私たちは「ドパガキ」なのか
    • AI時代の「生歌」の価値
    • 「ニコ生ホラー」とは何だったのか
    • テクノロジーが広げる学びの未来
    • AI時代のサイバー攻撃
    • リングを彩る美女たち
    • 〈Cosplay beauty〉もちむぎ

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 滝藤賢一、名バイプレイヤーの境地
    • 唯一無二の音楽家・水槽
    • 小八重葵美が得たもの

連載

    • [マルサの女]高橋凛
    • 神保哲生×宮台真司の「TALK ON DEMAND」
    • 萱野稔人と巡る「超・人間学」
    • ドクター苫米地に聞け!
    • 井川意高の天上夜想曲
    • 韮原祐介の匠たちの育成哲学
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • GROOVE SEQUENCE
    • 笹 公人×江森康之の「念力事報」
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」
    • 花くまゆうさく『カストリ漫報』
サイゾーパブリシティ