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東京地検特捜部、最強権力集団の正体【4】

ジャーナリスト宮本雅史氏に聞く「歪んだ正義」を誘発する検察と裁判所の問題

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『歪んだ正義 特捜検察の語られざる真相』
強引な捜査により押し切ったロッキード事件、
法相の指揮権発動により事件を「潰された」
造船疑獄事件などの捜査に隠された東京
地検特捜部の「歪んだ正義」の実像を描く。

「検察はひとつの捜査機関にすぎないのに、まるで検察、特に特捜検察はオールマイティーだという意識が強すぎることに、われわれは気づくべきです。彼らに過剰な期待をする世論が、検察イコール正義という意識を強くさせ、それが特捜検察の気負いになっていく。そこに検察内部がかかえる根本的な問題が重なり、本来の正義が歪められてきたのではないでしょうか」

 そう語るのは、自著『歪んだ正義』で、特捜検察の「不自然な」捜査の実態を告発したジャーナリストの宮本雅史氏。氏が指摘する検察内部が抱える問題とはなんなのか?

 そのひとつは、特捜検事の能力の低下だという。特捜部の捜査は、まず仮説も含めて、事件の構図を描き、これを証拠や自白によって裏付けていくというやり方だ。

「昔の特捜部というのは、事件の構図を完璧に描き、それを周りが納得する形で立証していったから、誰も文句を言わなかったのです。ところが、今も同じことをしているのに、事件にほころびが見えてくる。それはまず描くべき構図を間違えているし、立証能力も落ちてきているからです」


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