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もはやただの意地?

満身創痍の石原独裁都政 五輪招致騒動の後に待つ危機

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MEMO五輪招致
2016年の五輪開催地をめぐり、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)、シカゴ(アメリカ)、東京(日本)の4つの都市が候補地となっている。決定すれば南米大陸初の開催となるリオデジャネイロが最有力とみられているが……。

 10月2日に行われるIOC総会で、2016年の五輪開催都市がついに決定する。これまで、東京に招致するべく奔走してきた石原慎太郎都知事にとっても、運命の日となるだろう。"勤続疲労"が見え、諸問題が噴出してきた石原都政にとっては朗報となるのか? 泣きっ面に蜂となるのか?

 昨今の都政の裏側も含めて、全国紙都庁クラブキャップ(A)、全国紙都庁クラブ記者(B)、民放都庁クラブ記者(C)に語ってもらった。

A 3期11年目に突入した石原都政も、いよいよ末期症状がみられるようになってきた。石原慎太郎氏が長年、都知事のイスにしがみついている理由は、2016年の五輪誘致を花道にしたいからだけど、そこから検証していこうか。

B 国際オリンピック委員会(IOC)は9月2日、名乗りを上げた候補4都市の開催能力を「評価報告書」にまとめ、南米初の開催を訴えるブラジルのリオデジャネイロに高い期待感を寄せたね。東京は、財政面や治安面は評価されたけど、国民の支持率が最も低く、減点要因になっている。

C 4月にIOC評価委員長たちが来日しました。石原さんは麻生太郎首相(当時)と一緒に迎賓館の夕食会に彼らを招き、草月流の勅使河原茜さんが生け花を披露したりして"ニッポン"を演出。「江戸っ子のもてなしを感じてもらった」とご満悦でしたが、彼らが都内で開催反対派の都議らと面会したことを知り、ピリピリしていました。

B ピリピリも度が過ぎるよ。開催都市を決める10月のIOC総会を前に、招致活動の苦戦の責任を押し付けるように6月に五輪担当の谷川健次副知事を事実上解任し、都庁をパニックに陥れる"事件"も起こした。

C 「やる気満々だったのに」と、都庁内は谷川同情論一色。動揺した山口一久副知事も辞表を提出し、生え抜きの副知事2人が相次いで辞める結果に。

A 日本オリンピック委員会の福田富昭副会長も「谷川さんには、招致が終わるまでやってほしかった」と反発。焦るのもわかるけれど、プロパーの副知事につらく当たっても始まらないよ。

B 石原さんは本気で焦っている。IOC総会に皇太子ご夫妻の出席を政府に要請したほどだからね。ところが、宮内庁の野村一成東宮大夫が、招致運動は一種の政治活動に当たるとして「慎重な対応が求められる。殿下も同じ気持ち」と拒否。これを聞いた石原さん、「役人がそういうことを言うのは間違っている」とカンカンだった。

C ここにきて、不正まがいの誘致活動も明るみに出ました。都水道局が流している「安全でおいしい水プロジェクト」のテレビCMが五輪誘致のロゴマークを大きく映し出しているんですが、このCM予算に、去年の2倍に上る18億円も投入していたんです。水道事業費を五輪誘致の宣伝に流用するものだと批判の声が出ています。

B 宣伝費の私物化でいえば、国民的な婦人雑誌「家庭画報」を発行する老舗出版「世界文化社」は石原さんのごひいきで、世界各国のIOC関係者に東京の文化を紹介するためのガイドブック『TOKYO COLORS』の制作を都が発注したんだ。担当編集者の女性は「石原番」として都庁内でも幅を利かせていて、情実ではないかとささやかれている。

都議選でも自民党惨敗で行き詰まり必至の都政

A 「私物化」は、まさに石原さんのキーワード(笑)。その餌食になったのが、鳴り物入りで立ち上げたのに経営難に陥った新銀行東京、そして移転問題で揺れる築地市場だね。

MEMOIOCの東京への評価
IOCの評価報告書が9月2日に発表されたが、東京への評価は厳しいものとなっていた。財務面やコンパクトな計画は高い評価を得たが、一方で、施設面での不備や選手村の用地面積の狭さ、ホテル確保の難しさなどが懸念事項として挙げられた。さらに、自国開催に対する国民の支持率は、55.5%で4カ国中最も低い結果となっている。これに対して、石原都知事は「総力戦でいく」と、あくまで前向きだった。

B 都内の中小企業支援をうたい、石原さん自ら設立に動いた新銀行東京は、昨年3月期決算で約1000億円の累積赤字を計上。都はそれまでに1000億円を出資していたため巨額の回収不能が懸念されたのに、さらに石原さんは400億円の追加支援を決定してしまい、都民からそのずさん経営の責任を取るよう1000億円余りの損害賠償を求める訴えを起こされた。

C 国会でも新銀行東京の融資あっせん疑惑が追及され、石原さんの政務担当秘書が約30件を仲介したと民主党議員が暴露しています。

A 一方の築地市場は、老朽化を理由に江東区の豊洲地区に移転する計画なんだけど、今年1月、移転先の用地から強い発がん性物質のベンゾ〔a〕ピレンが公表値よりも150倍の濃度で検出されていたのに公表していなかったことが表面化。土壌の改良費として1000億円もの巨費が必要といわれている。次々と都税がつぎ込まれ、都民はもう踏んだり蹴ったりだね。

B 築地市場の移転をゴリ押ししたい背景に、ゼネコンとの癒着が取りざたされている。石原さんのブレーンに、スーパーゼネコンの役員クラスがいるんだよ。築地市場の場所は銀座に近く、跡地の再開発はゼネコンにとって垂ぜんの的。なのに、こうした疑惑は都議会でもなかなか本格追及されず、くすぶったままだった。

C それが、ガラッと風向きが変わったんです。7月の都議選で、127議席のうち、民主党が選挙前を大きく上回る54議席を獲得、初の第一党に躍進。民主党のマニフェストに盛り込んだ2大テーマ「新銀行東京から経営撤退」「築地市場の移転見送り」をめぐって石原さんと都議会が激突しています。

B 都庁内でも、まず築地市場の移転は完全凍結と見られている。移転事業費を予算化しようとしても、都議会に否決される可能性が高いからね。

A 都議選の自民大敗は、石原さんにとってまさに痛恨の事態で、頼りにしていた「ミスター都議会」こと自民党都連幹事長の内田茂さんも落選してしまった。こんな結果になっても空気が読めない麻生さんが平気な顔して8月30日の衆院選投開票を発表したときなんて、「とち狂ってるんじゃないか。漢字が読めないとか、発言がジグザグするとか」などと、石原さんの毒舌はとどまるところを知らなかったね。

B 都議選に続き、自民党を襲った衆院選の歴史的大敗に、石原さんは二重のショックを受けたようだ。自分がなれなかった首相のイスを長男の伸晃氏に託したんだけど、肝心の自民党が野党に転落、夢はついえてしまった。三男の宏高氏に至っては落選してしまい、政治家一族にも陰りが出てきた。

C 政治力が落ちたワンマン政治家は、捜査当局のターゲットになりやすいといわれますよね。石原さんは、東京地検特捜部に摘発された政商「水谷建設」元会長らの宴席で現金の授受があったのではないかと疑惑を呼びました。

A いずれにせよ、石原都政はオリンピック誘致や築地市場移転などで無駄なカネをつぎ込み、都民に巨額の借金を背負わせようとしている。任期を全うせずに、知事のイスを投げ出しかねない状況だから、これからもしっかり監視していこう。
(構成/編集部)


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