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笑うは"敗者"東京海上、損保業界は"統合損"!?

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MEMO東京海上
東京海上と日動火災が2004年に合併して発足した保険会社。正式名称は、東京海上日動火災保険。三菱グループに属し、連結売り上げ高3兆7000億円超の巨大企業である。正式名称は、東京海上ホールディングス。

 今年に入り、業界再編の動きが一気に加速している損害保険業界。1月に、業界2位の三井住友海上グループホールディングス、同4位のあいおい損害保険、同6位のニッセイ同和損害保険の3社が、来年4月に経営統合すると発表。これにより、創業から100年以上にわたって業界トップの座を堅持してきた東京海上ホールディングスを売上高で抜き去り、「悲願の首位の座」(三井住友海上幹部)に躍り出ることとなった。さらに、この動きに触発されて、業界3位の損害保険ジャパンと同5位の日本興亜損害保険も来年4月の経営統合を決め、大手損保は、6社から3社の〝3メガ損保〟体制へと集約化が進んだ。

 昨秋以降の世界同時不況で各社とも業績が急激に悪化する中、「保険金不払い問題の再発防止でコストが増加していたところに不況が直撃し、1社では生き残れない」(大手損保幹部)という危機感から戦国時代に突入したわけだ。

 こうなると気になるのが、首位の座から転落した東京海上の動向。しかしある東京海上関係者に「3社連合にトップの座を奪われて、正直焦ってんじゃないですか?」とぶしつけなな質問をぶつけてみたところ、「期待に沿えないで申し訳ないですが、正直まったく焦っていないですね(笑)。むしろチャンスだと思っているぐらいです」と不敵な笑みを見せる。損保業界に詳しいアナリストも「経営統合を決めた2陣営は、経営体力が削がれて、むしろ東京海上よりも不利な状況に追い込まれることが考えられる」と、先の関係者の自信を裏付けする。

「統合に際しては、社員の給与格差の調整や保険契約を記録する膨大なデータシステムを一緒にするなど、巨額のコストが発生する。さらに、こういった作業に力を注ぐことで、営業活動へのエネルギーが削がれるというデメリットもある。2000年頃にも業界再編が加速したことがあったが、このときはまだ保険自由化以前で、どの社も似たような商品を取り扱っていたからハードルが低かった。しかし今は会社によって取り扱っている商品がまったく異なり、労力はケタ違いに増している」(アナリスト)

 さらに統合組に不利となりそうなのが、「契約の分散化」(金融業界関係者)の動きだ。大企業が保険を掛ける際には、保険会社から少しでも有利な条件を引き出すために「○社に50%、×社に30%、●社に20%」といったように契約を分散化させることが一般的。しかしながら、こういった慣例が、とりわけ3社連合にとっては不利に働きそうなのだ。

「3社には共通した得意先が多く、1社に統合してしまうことで『契約が集中化しすぎるので、分散化するためにほかの会社にも契約を回す』という動きが本格化するのは間違いない。特に、自動車保険の大得意先であるトヨタは、あいおいと三井住友海上で取り扱いが5割を超えているとみられる。当然トヨタは契約が集中化しすぎることを嫌うでしょうから、結果、東京海上にシェアが流れるでしょうね」(金融業界関係者)

 要は、統合組が合併作業に忙殺される中で、東京海上は営業活動に全力を注ぐことができる上、勝手にシェアまで流れてくるという、実にオイシイ状態になりそうなわけだ。

 前出の東京海上関係者は「そう簡単に話が運ぶかはわかりませんがね(笑)。自力でトップに返り咲きますよ」と、再び不敵な笑みを浮かべる。統合しなかった損保こそが生き残る。保険業界では、他業種では珍しいそんなレアケースが拝めるかもしれない。
(千代田文矢)


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