性器、人体破壊、天皇侮辱……タブーを破る危ないアートブック

――先月、女性器の3Dデータをネット上で配布したろくでなし子が逮捕され、大きな話題となった。芸術と性をめぐる議論はこれまでもしばしば巻き起こったが、タブー破りとなる美術表現とは何なのか? 国内/海外のアーティストの作品が載せられたアートブックを参照しながら、あらためて考えたい。


■グロテスクな性器の描写
【1】『Erotic Art』
Taschen(98年)/絶版
20世紀を代表するエロティックな美術をまとめたコンピレーション・ブック。アンディ・ウォーホルやジョージ・グロス(写真右)の性的描写には度肝を抜かれる。ほかに、クリムト、エゴン・シーレなどの作品も収録。



■ベッドで表現した性と生
【2】『Tate Modern Artists: Tracey Emin』
Tracey Emin/Tate(06年)/2552円
写真やインスタレーション、絵画などで作品を発表してきたトレイシー・エミン。彼女の軌跡をたどれるこの作品集には、下着やコンドーム、タンポンなどが散らばる代表作《マイ・ベッド》(写真)ももちろん収録。


■少女時代のトラウマを表現
【3】『Louise Bourgeois』
Louise Bourgeois/Flammarion(95年)/絶版
六本木ヒルズ、グッゲンハイム美術館など世界9ヵ所に存在するクモの彫刻《ママン》で広く知られる彫刻家、ルイーズ・ブルジョワ。ここに収められた作品にも、父親に虐待されていた自身のトラウマが刻まれているのかもしれない。


■エロくてグロい戦争マンガ
【4】『ミュータント花子』
会田誠/ABC出版(99年)/絶版
1945年7月の沖縄で天皇陛下のためにアメリカと戦う夢を見る女子高生・花子を描いたマンガ作品。あまりのエログロにむせ返る。落書き調のマンガをわら半紙にコピーしたオリジナルは、約350部限定で販売された。その後、ABC出版が単行本化。

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