クソゲーでも、音楽だけは素晴らしい! ゲーム音楽とアーティストの意外なフュージョン列伝

――歌謡曲からダンスミュージックまで、洋邦問わずあらゆるアーティストがゲームのために楽曲を書き下ろしてきたことは、広く知られた事実。ゲームの世界観をより一層際立たせてきたのは、紛れもないそんなゲーム音楽たちだ。ここではゲーム音楽の歴史を学びつつ、素晴らしき融合で生まれ落ちた名作と、すったもんだの迷作を振り返っていこう。

(絵/沖 真秀)

「交響曲第1番《HIROSHIMA》」はゴーストライターの作曲によるものだったとして、マスコミを騒がせた佐村河内守が記者会見を終えた3月7日。彼が手がけたアクションゲーム『鬼武者』(カプコン)の音楽も、実は影武者によるものだったのではないかと疑われた。しかし、鬼武者だろうが影武者だろうが、ゲームミュージックは、いまやゲームの質を向上させる重要なファクターとなっている。本稿では、そんなゲーム音楽史を紐解きながら、アーティストとの関係性に迫ってみたい。

ゲームミュージックと聞いたら、『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)のステージ音楽や、『ファイナルファンタジー』(スクウェア)シリーズの音楽の大半を手がける植松伸夫、『ドラゴンクエスト』(エニックス)シリーズのすぎやまこういちなど、ファミコン時代から語り継がれる印象的なサウンドをイメージするかもしれない。しかし、90年代に入ると従来のファミコンカセットに代わるメディア(ROMカートリッジからCD-ROMへ、また販促物であるサウンドトラックなど)の登場により、これまでの機械的なファミコン音源に縛られない、多彩な音色のゲームミュージックが登場するようになった。『パラッパラッパー』(ソニー)や『beatmania』(コナミ)など、いわゆる音ゲーと呼ばれるジャンルが確立したのもこの時代で、音質が向上していくと共に楽曲にもクオリティが求められるようになった。

 そして、ゲーム音楽専門の作曲家や製作裏方の手による楽曲のみならず、次第にアーティストの起用も増えていく。坂本龍一の『天外魔境』(ハドソン)や『聖剣伝説4』(スクウェア・エニックス)、宇多田ヒカルの『キングダムハーツ』(スクウェア)などが著名なところで、いわゆるゲーム本編で流れる主題歌やBGMをゲームのために書き下ろしたものだ。

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