姜尚中、上野千鶴子から東浩紀まで!? 当代有名論壇関係者ゴシップ大全

──テレビや新聞ほかメディアでコメンテーターを務める、いわゆる 評論家 や 学者 先生も、スネに傷の一つや二つは抱えているものである。ただし、彼らの書籍を出版したり、インタビューを掲載したりする出版社では、そうした 論壇ゴシップ がタブー化しがち。そこで本誌では思い切って、論壇の頂点に立つ人々の裏面を、コソッとのぞき見してみました。

【座談会参加者】
A:書籍編集者
B:新書編集者
C:週刊誌編集

姜 尚中氏の著書『生と死についてわたしが思うこと』

A 今回は、サイゾーの連載陣を除いて(苦笑)いわゆる“論壇”の人たちに関するゴシップを語ってほしいということなんだけど……正直、最近はこのジャンルはあまりベストセラーも出ていないし、むしろ活気があるのは若手論壇の面々だよね。『ニッポンのジレンマ』(NHK・Eテレ)などに出ているあたりの。

B まぁでも彼らは世間的にはまだ知名度も高くないからね。やっぱりそれよりは、テレビや新聞等に出演も多い大御所のほうが興味あるんじゃない?

C それでいったら、近年いちばん話題になったのは、「週刊文春」(文藝春秋)が報じた姜尚中氏の家庭不和ですよね(12年10月11日号「姜 尚中・知られざる『家庭崩壊』」)。08年に出た『悩む力』【1】が大ヒットして、あの手のコメンテーターにしては珍しくダンディなルックスと美声で一躍人気になったけれど、その裏では障害を持つ息子の家庭内暴力と、妻の新興宗教入信、そして息子の自殺があった……という。

A 姜氏は12年度いっぱいで東京大学大学院の教授を退官すると表明しているね。定年までは3年残してるけど、あの報道前後から、あまり大学には来なくなっていると聞くよ。

B ブレイク以降、研究室宛てに批判や脅迫の手紙などが大量に舞い込むようになっていたらしい。それも、週にダンボール箱単位という規模だったそうだから尋常じゃないよね。まぁ90年代にメディアで大ブレイクした宮台真司さんだったら、当時そんなもんじゃ済まなかったかもしれないけど(笑)。

C 同じく東大の有名教授では、2011年3月に上野千鶴子さんが退官されましたね。近年では『おひとりさまの老後』【2】がヒットになったフェミニズムの先駆者であり、同時に批判も多く受けてきた人です。最近では、『フクシマ論』【3】の開沼博氏や『絶望の国の幸福な若者たち』【4】の古市憲寿氏など、上野ゼミ出身の若手論者たちが台頭してきていますよね。彼らを取り上げて、「AERA」(朝日新聞出版)が「上野千鶴子チルドレン」特集を組んでいました。

A 上野さんは本当に毀誉褒貶相半ばする人で、彼女の存在によって日本のジェンダー議論が進んだ面もあり、おかしな方向づけをされた面もあるといわれているね。個人的には、2010年に起きたメーリングリストの騒動以降、あまり信用できなくなった。上野さんも参加している、ジェンダースタディーズにかかわる学者や支援者たちが集まる非公開のメーリングリストがあるのだけど、そこに加わっているある総合法律事務所が、何度も何度も求人をメーリスに流していて、同じくメーリスに参加している学者で運動家の小山エミさんが、「こんなに頻繁に募集をするのは、それだけ人がすぐ辞めるブラック企業的体質なのでは?」という指摘をした。そのあと、実際にその事務所に勤めていた人がパワハラの実態をメーリスに投じたものの、上野さんは小山さんに対して「憶測に過ぎない話なので、この件はこれ以上広げないでください」と議論を収めようとする公開返信を行った。それで小山さんはじめ何人かの参加者が「女性とマイノリティの人権を掲げた団体が、女性を含む労働者を適切に扱っていないことをなぜ看過できるのか」と反論。女性と労働をめぐる目の前の問題に対し、上野さん当人が関わる気がないというのはちょっと信じられなかった。

B 旗振り役である彼女がそれでは、フェミニズムの議論が世間で広がるわけないでしょう、と思ってしまうね。彼女が中心になっているウィメンズアクションネットワーク(通称WAN)も同じく10年に、ウェブサイトを管理していたスタッフに対して一方的な労働条件の変更を提示して労働争議を起こされた。その後和解したものの、公式な説明はなかったはず。上野さんも、この問題がなかったかのように振る舞っているあたり、鈍感なのか策士なのか。東大退官後は、このWANの理事長職に納まっている。

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