新右翼団体・一水会代表 木村三浩氏が語る 「暴排令を排せ!」の思想

『憂国論』(彩流社)

 私は、暴排条例には大きく分けて3つの問題点があると指摘してきました。

 第一に、世の中はいろいろな人々で構成されていて、誰と付き合おうと自由であるということ。警察に、「ヤクザとは付き合うな」と言われる筋合いはない。必要以上の介入は、社会を萎縮させることになります。第二に、警察はヤクザを辞めさせるように仕向けているが、カタギに戻った際の受け皿がない。たとえ足を洗っても、5年間は一般市民として認めないというんです。ヤクザでもなくカタギとしても認められない5年間を、どうやって生きろというのでしょうか。そして第三に、団塊世代が大量に定年の時期を迎える警察が、ヤクザから利権を奪って天下り先を確保するために、暴排条例を隠れみのとして利用していることがあります。

 かつての高度成長期なら、警察の天下り先もたくさんあった。その一方で、ビジネスをスピーディーに進めたい企業が、ヤクザに自らカネを払ってまで仕事を依頼していました。つまり、日本社会には大きな経済のパイがあって、それをみんなが分け合っていたんです。しかし今、低成長によってパイが小さくなるや、警察は自分たちの分を実力でぶんどろうとしている。

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