農水省が農業改革の邪魔をする! 震災被害とTPPに揺れる日本の農業の今【後編】

【前編はこちら】

日本の農家を再生させる「農地自由化5カ条」

浅川芳裕氏の著書『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)。

荻上 突き詰めると、旧態依然として変えがたい農水省が邪魔をして……という無力感の漂う話に、どうしても行き着いてしまいますね。そこからポジティブな転換をするためにはどうしたらいいかという話をしていきたいんですが、浅川さんはご著書『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)で、「農地自由化5カ条」を提言されています。その概要をあらためて教えてください。

浅川 はい。第1条が、「米、麦、大豆といった特定作物の優遇措置の撤廃」です。今は儲からなくて自給率の低い作物を支援する仕組みになっているわけですが、これでは赤字作物を作れば作るほど国が支援するので、一向に経営改善のインセンティブが働かない。そうではなく、作物によらず毎月一反につき1万円程度の一律保障に切り替えます。そして毎年5%くらいずつ減らしていって、10~20年くらいでなくしていく。

 これに合わせて第2条では、「減反面積を毎年一定割合ずつ減らす」。第1条の帰結として、自動的にそういうことになりますね。

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2024.4.30 UP DATE

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