元検事・郷原信郎が選ぶ「検察」の真実がわかる本──検察問題は繰り返されるのか? 最強捜査機関を蝕む組織の悪癖

(写真/磯部昭子 A/M)

 まずは日本に2年間滞在したアメリカ人研究者が、日本の検察の実態を明らかにした『アメリカ人のみた日本の検察制度』【10】を推薦します。海外の検察組織と比較して、著者は「日本の検察はパラダイスだ」と言い切っている。日本の検察が、捜査においても裁判においても、外部からの介入を受けないで判断できる、世界でも類を見ない組織であるからです。著者はそれを詳細なヒアリング調査によって明らかにし、日本の検察を知る上で非常に貴重な文献といえるでしょう。93年に起きたゼネコン汚職捜査による仙台地検担当検事の暴行事件をはじめ、具体的な事件について、背景となった検察の構造的問題に踏み込んで記述しているところも、日本のメディアにはない視点だと思います。

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2024.4.29 UP DATE

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