電波利権の不合理性と政治家と放送局の功罪【前編】

 業界の人々が思っているほど、すぐにテレビはダメにならないと思う── 。テレビ局が持つ既得権益とそのカラクリを浮き彫りにした『電波利権』(新潮新書)の著者・池田信夫氏は、2011年のデジタル放送移行後のテレビ業界についてこう語る。だが多メディア化と昨今のメディア不況に直面しているテレビ業界に、明るい未来は描きづらいのも事実であり、また、テレビ局が独占してきた電波は今後、再分配されることが予測される。こうした中、電波という資源はどのように使われることが効果的なのだろうか?

【今月のゲスト】
池田信夫【上武大学教授】


神保 アナログ放送の停波まで、どうやら残すところ1年。「どうやら」というのは、現段階でまだ全国に7000万台のアナログテレビが残っています。この放送を強制終了させることが本当にできるのか、あるいはそれが正しいのか、という議論があるからです。ところが、放送局は自分たちにとって都合の悪いことは言わないし、日本では新聞が放送事業にまで関与しているから、新聞もこの問題では中立的な報道は望めない。そうした中で、よくわからないうちに日本の放送行政や電波行政がひどい状況になっているということを、今回のゲストである池田信夫さんの著書『電波利権』(新潮新書)を読んで知りました。今回は、デジタル放送問題だけでなく、電波そのもののあり方についても議論を深めたいと思います。

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