ラッパー・K ダブシャインが選書──不良・ヤンキーを美化し、自主規制を再考する『男組』

──政界から映画界、さらにはグルメ界まで、各界"マンガに造詣が深い"賢人が、タブー破りのマンガを選出!

[選者紹介]

K ダブシャイン

けい・だぶ・しゃいん。東京都渋谷区生まれのラップMC。様々な社会的トピックを扱うMCとして知られている。1月27日にアルバム『自主規制』を発売。



『男組』

 自分はすごく愛国心が強い人間なんだけど、そうなったのも、子どもの頃に『のらくろ』とか『ロボット三等兵』とか、戦争を題材にしたマンガを読んでいたからかもしれない。幼い頃に読んだマンガが情操教育に役立ったと思うね。中学生から高校生の頃は、渋谷で徒党を組んで新宿の奴らとケンカしたり、まさにマンガみたいな毎日を送ってて、その原点も、やっぱり小学生の頃に不良マンガを読んでたから。特に好きだったのが雁屋哲と池上遼一がタッグを組んだ『男組』だった。

『男組』は高校生同士の喧嘩の話なのに、どんどん話の風呂敷を広げていくんだよね。最後には「影の総理」とかいう敵が出てきて、裏で官僚を動かしてたりする。政治的だし、右翼のモチーフもある。設定が少年マンガの範疇を超えてるんだよ。

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